
VW ゴルフ vs ボルボ V40 どっちが買い!?徹底比較
「日本車には欲しいクルマが見当たらない!次の愛車は、輸入車にしようか・・・」などと考えているクルマ好きの読者諸兄も多いのではなかろうか。
「走る楽しさ」や「外観の格好良さ」といった価値観は日本ではもはや古いのかも知れないが、そういったクルマが好きなユーザーも、未だ少なくない。
日本車にも、もちろん格好良くて運転が楽しいクルマはある。「日産 新型スカイライン」「LEXUS GS」「トヨタ 86」などは、それぞれ独自の良さを持つ。ただしこれらのセダンはボディが大きく、クーペは実用的に使いにくい。
奥さんが買い物に出かける時でも運転がしやすく、リアシートに座っても窮屈に感じさせず、なおかつ運転して楽しい上質なクルマが欲しい。このように、少し欲張った視点で日本車を探すと意外と選択肢が限られていて「スバル インプレッサ」か「マツダ アクセラ」くらいになってしまう。
となれば、自然と輸入車に目が向く。プレミアムとかブランドとか、見栄が絡んだ話ではなく、ごく当たり前に気分良く使えるクルマ。今の日本車は様々な機能を備えた車種を多彩に揃えているが、肝心なところが抜けているのではと思う。
2013年は輸入車の販売が好調で、その割合は普通車の登録台数の約10%にも達した。以前は6~8%だったから、直近の伸び率は大きい。
海外を見れば、輸入車が30%を超えるのが当たり前。日本メーカーの生産工場も海外に進出していることを考えると、日本の市場はまだまだ日本車中心だ。それでも状況は少しずつ変わってきている。
そこで今回は、手頃な輸入車として人気が高い「フォルクスワーゲン ゴルフ」と、ライバル車でこちらも好評を博している「ボルボ V40」を比べたい。
VW ゴルフは、26年連続で輸入車の販売ナンバーワンとなった。
優れた走行安定性、快適なシートの座り心地などドイツ車のメリットをしっかりと押さえながら、昨年発売された新型ゴルフ(ゴルフ7)では、自動ブレーキを備えた衝突回避の支援機能を充実させている。
エンジンも1.2リッターと1.4リッターのターボを搭載し、余裕のある動力性能と優れた燃費を両立させている。
そしてV40は、現行型で設計を刷新して人気を集めている。新型V40はスポーティな5ドアハッチバックで、従来のボルボが持つオーソドックスなイメージを一変。その一方で従来の安全思想はさらに進化。
自動ブレーキを含めて衝突回避の支援機能を充実させ、複数の安全装備がフルに標準装着されている。6万円少々を加えると、歩行者対応のエアバッグまで装着できる。エンジンは1.6リッターのターボが主力だが、2リッターのターボも用意されている。
VW ゴルフ vs ボルボ V40 -エクステリア対決
まずは外観からだが、ゴルフは初代モデルからの伝統ともいえる水平基調で仕上げた。V40はサイドウィンドウの下端を後ろに向けて大きく持ち上げており、躍動的な雰囲気を感じる。5ドアクーペに近いデザインだ。
注意したいのは、両車ともに斜め後方の視界が良くないこと。V40はサイドウィンドウのデザインによってかなり見にくく、ゴルフも後部のピラー(柱)が太いから、視界が良好とはいえない。
初代や2代目ゴルフの頃は、今のVWポロと同等のサイズであまり気にならなかったが、現行型はボディが拡大して取りまわし性が良くない。ボンネットが視野からはずれることも、両車に共通する注意点だ。
ボディサイズは、ゴルフが全長「4,265mm」、全幅「1,800mm」になる。V40は全長が「4,370mm」だから100mmほど長く、全幅は「1,785mm」と少し狭い。全高はゴルフが「1,460mm」、V40は20mm低い「1,440mm」になる。
V40は長く、ゴルフは少し幅広い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はゴルフが「2,635mm」、V40は「2,645mm」だから、10mmの違いにとどまる。
最小回転半径は、ゴルフが15/16/17インチタイヤ装着車のすべてにわたり5.2m。V40は16インチタイヤが5.2mで17インチは5.7mと大回りとなるが、5.2mになるタイヤとホイールの組み合わせも選択できるようになっている。最小回転半径が0.5m増えると取りまわし性に悪影響を与えるので注意したい。

W ゴルフ vs ボルボ V40 -インテリア対決-
次に、内装を比べてみよう。
インパネのデザインは対称的だ。ゴルフは水平基調で機能的に仕上げた。基本的なレイアウトは、ほかのVW車、あるいは従来型のゴルフに準じており、代替えしても馴染みやすい。そこを抑えた上で各部を丁寧に仕上げた。
最上級グレードのTSIハイラインには、光沢あるピアノブラックの素材が用いられている。
質感を重視するゴルフに比べて、V40の内装は個性的だ。立体的なデザインで、ドライバーの目の前には大径サイズのメーターを装着。エレガンス/エコ/パフォーマンスの3種類に切り替えられる。
パフォーマンスを選ぶと、円形のメーターの表示が速度からエンジン回転数に変わり、速度はメーターの中央にデジタルで示される。このあたりは伝統を重視するゴルフと、新鮮味を大切にするV40の違いだろう。
フロントシートはどうか。ゴルフのフロントシートはサポート性が良く、かつリラックスできる座り心地だ。サイズに余裕を持たせており、座面もボリューム感がある。TSIハイラインに装着されるアルカンターラのシート生地は一見質感は高いものの、ファブリックに比べて伸縮性が下がる。ゆったりと座るならばファブリックをおすすめしたい。
V40のフロントシートはゴルフに比べて硬めになるが、サポート性はV40が勝る。体をしっかりとホールドして、スポーティな印象だ。
リアシートは、両車ともに3ナンバー車としては足元が狭い。リアシートに座った同乗者の膝先空間は、身長170cmの大人4名が乗車した状態でコブシ1つ半程度。フィットでも握りコブシ2つ少々を確保するから、空間効率に優れた設計ではない。
しかし、両車ともにリアシートの足元は狭めだがフロントシートの下に足が収まりやすいので、実際にリアシートへ座るとそれほど窮屈には感じない。座面の角度も適度で、大腿部が離れにくい。座面は両車ともに硬めで、着座姿勢は安定するが、日本車のリアシートに比べると拘束された感覚が強まる。
頭上空間はゴルフが握りコブシ1つ少々、V40は握りコブシが収まらない。V40はゴルフに比べて全高が20mm低く、天井を後ろに向けて下降させたから、リアシートの頭上が狭まった。加えてサイドウィンドウの下端も高く、閉鎖感が強まる。
VW ゴルフ vs ボルボ V40 -動力性能対決-
動力性能の違いはどうだろうか。
ゴルフが搭載するエンジンは1.2リッターと1.4リッターのターボだ。高性能版としては2リッターターボがあり、「ゴルフ GTI」とさらに高性能な「ゴルフ R」が用意されている。
V40はT4が1.6リッターターボ、T5・Rデザインは、直列5気筒という変則的なレイアウトを持つ2リッターターボを搭載する。
まずはゴルフの「TSIトレンドライン」と「TSIコンフォートライン」が搭載する1.2リッターターボからだが、最高出力は105ps(4,500~5,500rpm)、最大トルクは17.8kg-m(1,400~4,000rpm)になる。
数値は1.8リッターのノーマルエンジンと同等で大人しいが、実用的には十分な性能だ。実用回転域の駆動力に余裕があり、4,000rpmを超えた領域の吹け上がりも満足できる。ATが7速タイプのDSGだから、エンジン性能を有効に活用しており、馴染みやすい運転感覚に仕上げた。
TSIハイラインの1.4リッターターボはけっこうパワフル。
動力性能は140ps(4,500~6,000rpm)/25.5kg-m(1,500~3,500rpm)で、ノーマルタイプに当てはめると2.5リッタークラスに相当する。
発進直後の1,500rpm付近から十分な粘りがあり、4,000rpmを超えた領域では活発に吹け上がる。1.2リッターに比べて幅広い回転域で力強く、高回転域も滑らかだ。
V40の1.6リッターターボは、ゴルフの1.4リッターと同様に実用回転域の駆動力を十分に確保。
高回転域の吹き上がりはゴルフよりもV40が機敏に感じる。動力性能は180馬力(5700回転)/24.5kg-m(1600~5000回転)。最高出力の数値はゴルフTSIハイラインの約1.3倍で、エンジンを回す楽しさを満喫できる。
ただし車両重量はゴルフTSIハイラインが1320kg、V40のT4は1430kgと重く、実用回転域では大差がない。

VW ゴルフ vs ボルボ V40 -走行安定性対決-
操舵感と走行安定性も比べてみよう。
ゴルフは従来モデルの延長線上で、さらなる進化を図った。操舵感は機敏ではないが、ステアリングの支持剛性の高さが感じられ、ドライバーが車両との一体感を得やすい。日常的に使いやすく、飽きのこないタイプだ。
サスペンションは、フロント側は全車が独立式のストラットを採用するが、リア側はグレードによってメカニズムが違う。1.2リッターのターボを搭載したTSIトレンドラインとTSIコンフォートラインは車軸式のトレーリングアーム、TSIハイラインは独立式の4リンクだ。
タイヤの設定も異なり、TSIトレンドラインは15インチ、TSIコンフォートラインは16インチ、TSIハイラインは17インチを履く。TSIハイラインはリアサスペンションが独立式で、タイヤも17インチになるため、ほかのグレードに比べて操舵感が少し機敏だ。
コーナリング時の動きも、基本的には全車にわたって後輪の接地性を重視するが、TSIハイラインは速度を高めて曲がっても旋回軌跡を拡大させにくい。上級グレードであると同時に、動力性能の向上と併せてスポーティな性格も併せ持つ。
そしてゴルフ全般に当てはまる特徴は、高速走行時の直進安定性が優れていること。初代ゴルフからの伝統で、良く曲がる楽しさよりも安定性、特に直進時を重視する姿勢は現行型でも変わっていない。
VW ゴルフ vs ボルボ V40 -装備対決-
装備については、両車ともに安全面を充実させた。ゴルフはミリ波レーダーを使った自動ブレーキを伴う衝突回避の支援機能を全車に標準装着。
追突時などは自動的にブレーキを作動させ、対向車線に飛び出したりするのを防ぐ。標準装着、あるいはオプションにより、カメラ方式による車線逸脱の警報&ステアリング修正機能も採用した。
V40はゴルフ以上に安全装備を充実させて、最廉価のT4も含めて全車に標準装着としている。ゴルフはミリ波レーダーで低速域から高速域までカバーしているが、ボルボは低速域は赤外線レーザー、高速域はミリ波レーダーと使い分け、さらにカメラを用いることで、歩行者や自転車に乗った人も見分ける。
カメラを使い、車線を逸脱しそうになると、車線内に留まるように自動的に穏やかなステアリング修正を行う機能も標準装備だ。
そして、ゴルフと大きく異なるのは、後方に向けたミリ波レーダーも左右にそれぞれ装着して、2車線道路などでは死角に入る並走車両やモーターサイクルも検知することだ。後退しながら車庫から出る時の安心感も高めている。
つまり全方位に安全バリアを張り巡らせた。日本車ではマツダなども後方の検知を行うが、V40の方が入念に対応している。さらに先に触れた歩行者対応のエアバッグを付けられることもメリットだ。
VW ゴルフ vs ボルボ V40 -価格比較・総評-
車両価格は1.2リッターのゴルフTSIコンフォートラインが279万9,000円、1.4リッターのTSIハイラインが310万9,000円になる。
TSIハイラインには、レーンキーピングアシスト、フォグランプ、アルカンターラ製のシートなどを追加装着した。動力性能の向上とリアサスペンションの上級化を考えると、31万円の価格アップなら買い得といえるだろう。
V40のT4は297万2,571円で、前述のように安全装備がフルに備わる。V40の安全装備は少なくとも20万円くらいはゴルフTSIハイラインをリードするから、総額なら33万円くらいは割安になると判断できる。
結論をいえば、取りまわし性やリヤシートの居住性はゴルフが優れ、動力性能はV40が勝る。運転感覚もV40はスポーティ、ゴルフは直進性を重視した安定指向だ。内装の雰囲気はゴルフが質感、V40はスポーティーな感覚を大切にしている。そして安全面はV40がリードしており、価格もゴルフより割安に抑えた。
イメージとしては、ゴルフは市街地と高速道路、V40は峠道と高速道路にマッチするが、実際の用途として大差はない。そしてV40はゴルフと違って過去のモデルによる認知度の積み重ねがない分だけ、安全装備に力を注ぎ、価格を戦略的に割安に抑えた。
まさに格好のライバル同士。日本の市場に本気で取り組む姿勢が見られ、今までとは輸入車に対する見方が変わりそうだ。
ちなみにV40 ・T4の価格帯には、日本車ではヴォクシーハイブリッドX、アテンザセダン&ワゴンXD(クリーンディーゼルターボ)、86GTなど、少し上級に位置する日本車の買い得グレードが集中している。
これらの日本車では、充実した衝突回避の支援機能は、オプションか、非設定になってしまう。なので日本車と比べても買い得度の差はほとんどない。
輸入車をブランド性ではなく、機能を比べて選べる新しい時代に入った。






















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