ダイハツ ブーン&トヨタ パッソ vs ホンダ フィット どっちが買い!?徹底比較

ダイハツ ブーン&トヨタ パッソ vs ホンダ フィット どっちが買い!?徹底比較
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(左から)DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”、TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”
2016年4月に発売されたダイハツ「ブーン」&トヨタ「パッソ」は、直列3気筒の1リッターエンジンを搭載するコンパクトカー。ベーシックなブーンX・SAII&パッソX・Sは、緊急自動ブレーキを作動できるスマートアシストIIを標準装着して価格を121万5000円に抑えた。コンパクトカーの中でもエンジンとボディサイズが小さく価格も安い。
従来型はトヨタも企画やデザインに参加して、ダイハツとの共同開発とされたが新型は違う。企画やデザインから車両開発、生産までをダイハツが一貫して担当した。そのためにトヨタ「パッソ」は、ダイハツ製のOEM車という扱いだ。
ホンダ フィット
クルマ造りの方向性も従来型とは変わり、ダイハツによれば「軽自動車で開発した技術を小型車に展開した」という。背景にはコンパクトカーの商品力と売れ行きの低迷があり、技術的に先行する軽自動車のノウハウを活用してブーン&パッソを開発した。
従来から軽自動車と基本部分を共通化するコンパクトカーは存在したが、メーカーが自発的に、軽自動車を優位に立たせた表現をすることは珍しい。
さて、軽自動車の技術で造り上げたブーン&パッソは、本当にコンパクトカーのライバル車と戦えるのか。このジャンルの主力車種となるホンダ「フィット」と比べてみたい。

ボディスタイル/サイズ/視界/取りまわし性比較

DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”
全長/全幅/全高は、ブーン&パッソが3650mm(上級のシルク&モーダは3660mm)/1665mm/1525mm。フィットは3955mm/1695mm/1525mmになる。全高は同じだが、全長はフィットが305mm長く、全幅も30mm広い。フィットがひとまわり大きい印象だ。
外観の見栄えはフィットが大柄な分だけ存在感も強いが、パッソ&ブーンもシルク&モーダではフロントマスクが上質になる。
視界は前後左右ともにブーン&パッソが勝る。フィットと違ってボンネットが少し見えて、サイドウインドウの下端が低い水平基調のスタイルだから、側方、斜め後方、真後ろともに見やすい。右側のサイドウインドウから顔を出すと、後輪が視野に入るから駐車する時も便利だ。
ホンダ フィット 1.3G(ガソリンモデル)
対するフィットはサイドウインドウの下端が高めで、しかも後ろに向けて持ち上げたから、側方と斜め後方の視界が良くない。
最小回転半径はブーン&パッソが4.6m、フィットは4.7mで、前者の小回り性能が少し優れる。
なので視界と取りまわし性はブーン&パッソが勝る。
勝者:ブーン&パッソ
TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”
ホンダ フィット ハイブリッドホンダ フィット ハイブリッドホンダ フィット ハイブリッドホンダ フィット ハイブリッドホンダ フィット ハイブリッド
ダイハツ ブーン&トヨタ パッソ vs ホンダ フィット どっちが買い!?徹底比較

内装のデザイン/質感/操作性/視認性比較

DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”ホンダ フィットハイブリッド
ブーン&パッソの内装は、新型になって向上した。ただしそれは先代型の不満が解消されただけで、上質になったわけではない。質感を競えばフィットが勝る。エアコンなどが収まるインパネの中央をドライバーの方に傾けるなど、操作性にも配慮した。
フィットが幅広いグレードに装着するフルオートエアコンはタッチパネル式。操作性はいま一歩だが、見栄えは良い。メーターの視認性は両車とも同程度だから、内装の造りは質感が上まわるフィットの勝ちだ。
勝者:フィット

前後席の居住性比較

DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”ホンダ フィットハイブリッドホンダ フィットハイブリッド
前席は両車ともサイズを十分に確保した。座面の奥行、背もたれの高さに不足はない。座面は柔軟で、座ると体が適度に沈む。
差が付くのは背もたれで、ブーン&パッソは腰の付近を絶妙な硬さに造り込んだ。形状もちょうど良く、乗員の背中がシートに密着する。この前席はダイハツの軽自動車よりも進化しており、フィットと比べても快適に感じた。
一方、後席はフィットが勝る。シートのサイズに余裕があり、多彩なシートアレンジを可能にしながら座り心地も柔軟だ。ブーン&パッソは、シートアレンジがシンプルなのに座面の柔軟性が乏しく、座り心地はフィットに見劣りする。
頭上と足元の空間は、コンパクトなブーン&パッソも不足していない。身長170cmの大人が4名で乗車した時、後席に座る同乗者の膝先空間は、ブーン&パッソが握りコブシ2つ少々。フィットは2つ半だ。前後席に座る乗員同士のヒップポイント間隔は、ブーン&パッソが940mm、フィットは1000mmを少し超える。
前席の居住性はブーン&パッソが少し勝るが、後席は空間効率、座り心地ともにフィットの圧勝となった。
勝者:フィット

荷室&シートアレンジ比較

TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”ホンダ フィットハイブリッド
ブーン&パッソの荷室は、コンパクトカーの平均水準。さほど広くないが、X系を除くと背もたれを6:4の割合で分割して前方に倒す機能も備わる。
一方、フィットの荷室は広い。全長がブーン&パッソに比べて305mm長く、燃料タンクを前席の下に搭載するから荷室の床も低くできた。後席を床面へ落とし込むように畳むと、車内の後部をボックス状の空間に変更できる。後席の座面を持ち上げて、車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能だ。
勝者:フィット
ダイハツ ブーン&トヨタ パッソ vs ホンダ フィット どっちが買い!?徹底比較

エンジンと動力性能比較

DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”ホンダ フィット 1.3L 直噴 DOHC i-VTECエンジン
ブーン&パッソのエンジンは、直列3気筒の1リッター。最高出力は69馬力(6000回転)、最大トルクは9.4kg-m(4400回転)だからパワフルとはいえないが、車両重量は前輪駆動の2WDであれば910kgと軽い。やや高回転指向なのを改善して実用回転域の駆動力をもう少し高めたいが、力不足は感じない。
一方、フィットが搭載する1.3リッターエンジンは、最高出力が100馬力(6000回転)、最大トルクは12.1kg-m(5000回転)になる。車両重量は売れ筋の13G・Fパッケージが1020kgだ。ブーン&パッソ以上に高回転指向で、4000回転を超えたところに速度上昇が一時的に伸び悩む回転域もあるが、加速性能はフィットが力強い。
勝者:フィット

走行安定性比較

DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”
ブーン&パッソの走行安定性は、先代型では不満を感じたが、新型はプラットフォームを流用しながら剛性を高めた。2WDでは前後の足まわりにスタビライザー(ボディの傾き方を制御する棒状のパーツ)も組み込んだから、先代型と違って操舵感が曖昧だったり、カーブを曲がる時に不安を感じることはない。
ただし操舵に対する車両の動きは少し鈍く、ステアリングのギヤ比もスローだから、結果的に曲がりにくく感じる場面がある。混雑した市街地や駐車場では、ハンドル操作が少し忙しい。
また危険を回避する時などは、後輪の接地性が削がれて横滑りの兆候が生じることがある。走行安定性を総合的に高める余地を残す。
ホンダ フィット 1.3G Fパッケージ
フィットは対称的で、実用指向のコンパクトカーでは操舵感が機敏だ。意外に良く曲がる。その代わり、カーブを曲がっている最中にアクセルペダルを戻すような操作を強いられると、後輪の横滑りを生じやすい。セッティングの意図は理解できるが、フィットはスポーティーカーではないから、車両全体の動きをもう少し穏やかにすると良い。
それでも直進時を含めて総合的に判断すると、フィットの走行安定性が勝る。ブーン&パッソは、初代モデルから使い続けるプラットフォームを一新させる時期にきていると思う。
勝者:フィット

乗り心地比較

ホンダ フィットハイブリッド
乗り心地は両車ともに少し硬く、路上のデコボコを伝えやすい。それでも比較すればフィットが快適に感じる。発売当初に比べると改善を施し、足まわりを柔軟に動かす方向へ発展させた。
タイヤサイズはブーン&パッソが165/65R14で、指定空気圧は前後輪とも250kPa。フィット13G・Fパッケージは175/70R14で、指定空気圧は前輪が220kPa、後輪が210kPaになる。両車とも14インチタイヤだが、ブーン&パッソは扁平率が低く、しかも指定空気圧は高い。タイヤの設定も、フィットに比べると乗り心地では不利になっている。
勝者:フィット
ダイハツ ブーン&トヨタ パッソ vs ホンダ フィット どっちが買い!?徹底比較

安全装備比較

TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”
ブーン&パッソは幅広いグレードにスマートアシストIIを装着した。センサーとして赤外線レーザーと単眼カメラを備え、車両が対象の場合は時速100kmを上限に警報を発する。緊急自動ブレーキの作動は時速50km以下だ。カメラを使うので、歩行者も検知して警報を発し、車線逸脱の警報機能も備わる。
スマートアシストIIの価格は6万4800円。サイド&カーテンエアバッグは4万9680円で設定した。2つの安全装備を合計すれば11万4480円になる。
フィットは「あんしんパッケージ」を設定した。緊急自動ブレーキも備わるが、赤外線レーザーのみを使うから、車両を対象に時速30km以下で作動するだけだ。歩行者は検知できず、車線逸脱の警報も行えない。あんしんパッケージにはサイド&カーテンエアバッグも含まれ、オプション価格は6万1715円となる。緊急自動ブレーキは簡易型だが、サイド&カーテンエアバッグを含めた価格は、ブーン&パッソに比べて5万2765円安い。それでも安全装備はブーン&パッソの勝ちだ。
勝者:ブーン&パッソ

燃費性能とエコカー減税比較

(左から)DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”、TOYOTA PASSO(トヨタ パッソ) X ”Gパッケージ”
ブーン&パッソのJC08モード燃費は2WDが28km/L。フィット13G・Fパッケージは24.6km/Lになる。数値としてはブーン&パッソが優れるが、ボディサイズや車両重量を考えればフィットの燃費性能も良好だ。
2WDモデルのエコカー減税は、ブーン&パッソでは自動車取得税が80%、同重量税が75%軽減され、フィット13G・Fパッケージでは60/50%になる。
勝者:ブーン&パッソ

価格の割安感比較

ホンダ フィット 1.3G(ガソリンモデル)
両車で装備の似通った売れ筋グレードは、ブーン&パッソX・Lパッケージ(125万2800円)、フィット13G・Fパッケージ(142万5000円)になる。
価格はフィットが17万2200円高いが、排気量に300ccの差がある。排気量の価格相場は「100cc当たり2万円」だから、実質差額が6万円縮まり、ボディサイズ/後席の居住性/荷室の機能などの対価が11万円と考えれば良いだろう。
となれば客観的に判断してフィットが買い得だ。
勝者:フィット
ダイハツ ブーン&トヨタ パッソ vs ホンダ フィット どっちが買い!?徹底比較

総合評価

(左から)DAIHATSU BOON CILQ(ダイハツ ブーン シルク) ”Gパッケージ SA II”、DAIHATSU BOON(ダイハツ ブーン) X ”SA II”
フィットはブーン&パッソに比べると、ボディサイズとエンジンの排気量がひとまわり大きい。この違いもあって、機能別に比べるとフィットの勝るところが多い。特に後席の居住性と荷室の広さ&使い勝手はフィットの圧勝だ。
その割に価格にはあまり差がないので、総合評価はフィットの勝ちとなった。
なるべくお金を費やさずに家族で使えるクルマが欲しいユーザーにとって、フィット13G・Fパッケージは推奨度が高い。4名で乗車しても相応に快適で、市街地でも運転がしやすく、荷室や収納設備も充実している。燃費も優れ、価格は割安になるからだ。
ホンダ フィット
しかし後席の居住性や荷室にこだわらず、運転のしやすさと、価格/燃費の安さに重点を置きたいユーザーもおられるだろう。その場合はブーン&パッソも選ぶ価値が高まる。ボディがフィットよりもひとまわり小さく、視界が優れ、インパネ周辺の操作性なども優れているから運転がしやすい。前席に関しては、座り心地もブーン&パッソが勝る。ファミリーユースならフィットだが、パーソナルカーとしてはブーン&パッソも買い得だ。
また軽自動車ユーザーの約20%は、小型車に代替えしている(ダウンサイジングだけではなくアップサイジングもある)。この場合もブーン&パッソが馴染みやすい。
勝者:フィット

カテゴリ別勝者一覧

ボディスタイル/サイズ/視界/取りまわし性比較:ブーン&パッソ
内装のデザイン/質感/操作性/視認性比較:フィット
前後席の居住性比較:フィット
荷室&シートアレンジ比較:フィット
エンジンと動力性能比較:フィット
走行安定性比較:フィット
乗り心地比較:フィット
安全装備比較:ブーン&パッソ
燃費性能とエコカー減税比較:ブーン&パッソ
価格の割安感比較:フィット
総合評価:フィット

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