【比較】ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

【比較】ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

ステップワゴンが5年振りにフルモデルチェンジ!

新型車の開発には各メーカーとも車種を問わず力を注ぐが、そのなかでも「ミニバン」は特に開発の成果が分かりやすい。居住空間の広さ、シートアレンジ、荷室の使い勝手、乗降性など実用的な機能を中心として進化させるためである。
また、分かりやすく進化させねば“ならない”事情もある。ミニバンは国内の販売比率が高く(海外では販売されていない車種も多い)、実用性で人気を高めたから競争が激しい。
ミニバンは常に横並びで比較され、機能の優劣や価格の割安感で見劣りしてしまうと熾烈な競争に勝つことが出来ない。その為、ミニバンは常にライバル車を横目に開発が行われる。フルモデルチェンジを迎えるミニバンは、すでに発売されているライバル車のミニバンを乗り越えねばならない。いわば、「後出しジャンケン」の連続なのである。
ホンダ 新型ステップワゴン
そのため、ミニバンの開発者はライバル車のミニバンにも非常に詳しい。競争相手の長所と短所を知り尽くしている。
そんな厳しい競争を展開しているミニバンの代表車種の一つ「ホンダ ステップワゴン」が、フルモデルチェンジを受けた。
ステップワゴンの詳細は2015年4月23日に掲載したホンダ新型(5代目)ステップワゴン新型車解説を参照していただくとして、ここではライバル車と比較してみよう。

ライバル車としては、昨年フルモデルチェンジを受けた「ノアヴォク」をチョイス

ミドルサイズミニバンであるステップワゴンのライバル車といえば、トヨタの「ヴォクシー&ノア」と日産の「セレナ」だろう。両車とも基本5ナンバーサイズのスライドドアを備えたミニバンで、売れ筋グレードは250~270万円前後に設定されている。
ステップワゴンが先代型だった時は2リッターエンジンという共通点もあったが、新型では1.5リッターのターボへと切り替わったので、他のライバル車とは排気量に差が生じている。
トヨタ ノア・ヴォクシー
それでも、販売台数を見るとステップワゴン/ヴォクシー&ノア/セレナの3車種が激しい競争を繰り広げており、他のミドルサイズミニバンとは大差を付けている。
今回のステップワゴンのライバル車については、人気度も考えて「ヴォクシー&ノア」が妥当だろう。
新型ヴォクシー&ノアが登場したのは2014年だが、現行セレナの登場は2010年とやや差がある。セレナも登場後4年以上を経ながらも販売面では大いに健闘しているが、今回の比較相手としてはヴォクシー&ノアが最適と判断した。
【比較】ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/ボディサイズ対決

ホンダ 新型ステップワゴントヨタ ノア
まずはボディサイズの比較からだが、エアロパーツを装着しない標準ボディではステップワゴンの全長が4,690mm、全幅が1,695mmの5ナンバーサイズになる。ヴォクシー&ノアも全長4,695mm・全幅1,695mmとほぼ同じだ。
また、エアロパーツを装着した「ステップワゴン スパーダ」は、全長が4,735mm、全幅が1,695mm。全幅は5ナンバーサイズに収まるが、全長が4,700mmを超えて3ナンバー車になった。対する「ヴォクシー ZS&ノア Si」は全長4,710mm・全幅1,730mmで、全長と全幅の両方が3ナンバーサイズとなる。標準ボディは5ナンバーサイズ、エアロ仕様は3ナンバー車、というパターンはセレナも同じだ。
かつてのステップワゴンやヴォクシー&ノアは、5ナンバーサイズの規格よりも少し小さかったが、今の大きさは標準ボディで限界ギリギリ。車内の広さを競った結果、この数値に落ち着いた。とはいえ、標準ボディまで3ナンバーサイズに拡大すると、当然ながら「5ナンバーミニバン」とは呼べない。これは販売面でマイナスに作用するから、さらにサイズアップするのは実質的に不可能だ。
全高は2WDで見るとステップワゴンが1,840mm、ヴォクシー&ノアが1,825mm。これも外観の見栄えと走行安定性を考えると限界だろう。
室内高はステップワゴンが1,425mm、ヴォクシー&ノアが1,400mmだから、十分な数値になる。ちなみにセレナは全高が1,865mmと高いのに、室内高は1,380mmと狭い。ステップワゴンとヴォクシー&ノアは低床設計だが、セレナは60~70mmほど床が高いため、空間効率が下まわっている。
ホンダ 新型ステップワゴンスパーダホンダ 新型ステップワゴンスパーダホンダ 新型ステップワゴンスパーダホンダ 新型ステスパーダホンダ 新型ステップワゴンスパーダ
トヨタ ノアトヨタ ノアトヨタ ノアトヨタ ノアトヨタ ノア

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/エクステリア対決

ホンダ 新型ステップワゴン
ボディスタイルは、基本的には先代型と同じ。ピラー(柱)やウィンドウを寝かせれば車内が狭まり、立てると昔のワンボックスワゴンに近づいてしまう。ボディサイズと同様に変えようがない。
そんな制約の中で、新型ステップワゴンは従来モデルと路線を変えてきている。フロントマスクなどに丸みを付けて、ヘッドランプ中央のグリルは標準ボディでは半透明のアクリルとしている。
エアロパーツを装着したスパーダもデザインの基本は同じ。グリルにメッキを施したものの、従来の数本のスリットを施したタイプに比べると、シンプルに仕上げた。
トヨタ ヴォクシー
一方、ヴォクシー&ノアは直線基調。フロントグリルの形状を含めて、存在感を強調している。
新型ステップワゴンの外観は新鮮で、特に標準ボディは視覚的なバランスも良いが、「インパクトが弱い」という見方もされそうだ。今後のマイナーチェンジなどで、フロントマスクに手を加えるかも知れない。
【比較】ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/インテリア対決

ホンダ 新型ステップワゴン
内装は、ステップワゴンが新型になってインパネのデザインを刷新させている。
先代型はアナログメーターをハンドルの奥側に配置する一般的な形状だったが、新型はデジタルメーターがインパネ最上部の奥まった位置に収まる。この形状であればメーターを見る時の視線移動が少なく、ハンドルの奥側に収納ボックスも装着することができている。
トヨタ ノア
一方、ヴォクシー&ノアはオーソドックス。アナログ表示のメーターは馴染みやすく、ハンドルの上側にメーターを配置したステップワゴンに比べて圧迫感も生じにくい。
インパネの形状は一長一短だ。

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/シート対決

ホンダ 新型ステップワゴントヨタ ノア
1列目シートの居住性は、ステップワゴン、ヴォクシー&ノアともに互角のレベル。シートのサイズは十分に確保されており、頭上空間もミニバンらしく余裕を持たせた。
2列目はステップワゴンが新型になってセパレート形状の7人乗りを基本とするようになったが、オプションでベンチシートの8人乗りも選択できる。ヴォクシー&ノアも、すべてのグレードでセパレートとベンチを選べる。
異なるのはベンチシートの畳み方。ヴォクシー&ノアのベンチシートは座面を持ち上げて前に寄せられるから、3列目の跳ね上げと併用すれば、2名乗車時に車内の中央から後方を広い荷室に変更できる。
対するステップワゴンのベンチシートには、コンパクトに畳む機能がない。特に注意して欲しいのは、先代ステップワゴンから代替えする時だ。先代型の場合、2列目がベンチシートであればタンブル機能が備わり、前方へ折り畳むように格納できた。またセパレートタイプのキャプテンシートも、座面を持ち上げて大きく前方にスライドさせるレイアウトが可能だった。
新型ではこういった2列目の格納機能が省かれ、先代型に比べると荷室のアレンジが減っている。このほかヴォクシー&ノアの2列目がセパレートタイプの場合、前後に810mmスライドさせることも可能だ。前に寄せて荷室を広げたり、後方へ大きくスライドさせて足元空間をタップリと確保できる。
シートアレンジは、ヴォクシー&ノアが多彩に用意した。シートのサイズは両車とも十分に確保され、セパレートタイプのキャプテンシートであれば、両側にアームレストが装着される。リラックスして座ることが可能だ。
ホンダ 新型ステップワゴントヨタ ノア
3列目のシートは、ステップワゴンの座面の奥行寸法が415mmと短い。ヴォクシー&ノアも435mmにとどまるが、ステップワゴンはさらに20mm下まわるため、大腿部のサポート性に不満を感じる。
ちなみに先代ステップワゴンは背もたれが部分的に硬く、座り心地に違和感を伴ったが、座面の奥行寸法は475mmを確保していた。新型では背もたれの硬さは解消されたが、座面は60mm短い。このあたりは一長一短だ。
足元の空間はステップワゴンが若干広い。新型になって1~3列目のヒップポイント間隔を40mm増したことが利いている。
乗降性は、前後のドアについてはほぼ同等。ステップワゴンの床の高さは先代型と同等だが、もともと低床プラットフォームだから、サイドステップ(乗降用の小さな階段)を装着していない。ヴォクシー&ノアも現行型になって床を下げたので、乗降性は同等になった。
ホンダ 新型ステップワゴン
荷室のリアゲートの使い勝手は、ステップワゴンの圧勝だ。
B以外の全グレードに「わくわくゲート」を装着。縦開きの機能に加え、横開きのサブドアも装着した。なので狭い場所でも開閉しやすい。
3列目の格納は、左右分割式で床下に収めるから、左側を畳めばサブドアから乗り降りできる。またサブドアの開口部も最大830mmと相応に広く、自転車などの大きな荷物も積める。大半の用途はサブドアの開閉だけで済ませられるだろう。
【比較】ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/エンジン対決

ホンダ 新型ステップワゴントヨタ ノア
エンジンは、ステップワゴンが新型になって新しい展開を見せた。
従来型は直列4気筒の2リッターだったが、新型は1.5リッターのターボを搭載する。最高出力は150馬力(5500回転)、最大トルクは20.7kg-m(1600~5000回転)だ。
ヴォクシー&ノアは2リッターのノーマルエンジンと1.8リッターのハイブリッドを設定。ノーマルエンジンの最高出力は152馬力(6100回転)、最大トルクは19.7kg-m(3800回転)になる。
最高出力は同程度だが、ステップワゴンはターボとあって、20kg-mを超える最大トルクを1600~5000回転で発揮できることがメリットだ。もっとも、ヴォクシー&ノアも最大トルクの発生を3800回転に抑えたから、エンジンの性格は扱いやすい。

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/燃費対決

JC08モード燃費はグレードによって異なるが、ステップワゴンの2WDの場合、16インチタイヤを履いた標準ボディのBとGが17km/L、スパーダが16km/L、17インチタイヤのスパーダクールスピリットが15.4km/Lだ。対するヴォクシー&ノアは、アイドリングストップを装着した15/16インチタイヤが16km/Lになる。なので燃費数値に大きな差はない。
そしてヴォクシー&ノアのハイブリッドは、システム最高出力が136馬力。JC08モード燃費は23.8km/Lだから、燃費数値はノーマルエンジンの約150%に伸びる。
エコカー減税は、ステップワゴンが取得税:60%、重量税:50%の減税。ヴォクシー&ノアのノーマルエンジン車は取得税:40%、重量税:25%の減税になる。ヴォクシー&ノアのハイブリッドは免税(100%の減税)だ。

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/安全装備対決

装備については安全面で大差が付く。ステップワゴンは、ホンダセンシングとして、衝突回避の支援機能をすべてのグレードにオプション設定した。ミリ波レーダーと単眼カメラを装着して、衝突の危険が迫るとドライバーに警報を発する。
衝突不可避の時には、自動的に緊急ブレーキを作動させることも可能だ。さらに車線を逸脱しそうな時はドライバーに警報を行い、車線の中央を走れるように電動パワーステアリングの支援操舵を行う機能もある。速度制限標識もかなり正確に読み取ってディスプレイの内部に表示する。
上記の機能を応用した快適装備としては、時速30~100kmの間で先行車を自動的に追従走行できるアダプティブクルーズコントロールも採用した。これらの安全装備は、ヴォクシー&ノアには用意されない。なので安全装備と車間距離制御の可能なクルーズコントロールは、ステップワゴンを選ぶ大きなメリットになる。

ホンダ 新型ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー/価格対決・総評

ホンダ 新型ステップワゴントヨタ ヴォクシー
価格はノーマルエンジンを搭載した標準ボディで見ると、ステップワゴンGが248万円、ヴォクシーX&ノアXの7人乗りが246万8,571円だからほぼ同額だ。
機能と装備のレベルもほぼ同じで、ステップワゴンには「わくわくゲート」が備わり、ヴォクシー&ノアはシートアレンジが充実している。
冒頭で触れたように、背の高いミドルサイズミニバンは「後出しジャンケン」の連続。.
後から登場した車種は、従来型のライバル車を超える機能を持たねばならない。そこで新型ステップワゴンは、「わくわくゲート」とホンダセンシングを搭載した。1.5リッターのターボも、ヴォクシー&ノアの2リッターに比べて動力性能と燃費のバランスが良い。
一方、ヴォクシー&ノアには、2列目をコンパクトに畳む機能が備わり、3列目はレバー操作だけで左右に跳ね上がる。ヴォクシー&ノアの場合、安全装備は早急に充実させる必要があるが、リアゲートの機能とシートアレンジの違いはユーザーのニーズによって選択が変わるから、一長一短だろう。
選ぶ時には、自分が必要とする機能の優先順位を決めた上で、どちらの車種が適しているかを判断すると良い。

コメント