トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較

トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較

大ヒットの予感!新型ミニバン「ヴォクシー&ノア」と「セレナ」を比較!

トヨタ 新型ヴォクシー&ノア日産セレナ
最近は、ミニバンの売れ行きに陰りが見えている。普及を開始してから15年以上が経過して、目新しさも薄れた。多人数乗車や荷物の積載など、明確な目的があるユーザーしか購入しなくなったからだ。元気を失いつつあるミニバンだが、久々に大ヒットしそうな新型車が登場した。
2014年1月20日に発表された「トヨタ 新型ヴォクシー&新型ノア」だ。
新型ヴォクシー&新型ノアは床の位置を低く抑えて乗降性や居住性を向上させ、低重心化によって走行安定性も進化している。待望のハイブリッドも用意され、外観の変わり映えは乏しいものの、機能は大幅に刷新された。
このフルモデルチェンジを迎え撃つのが、ミニバンで売れ行きナンバーワンを誇る「日産 セレナ」。登場したのは2010年だが、2013年末にマイナーチェンジを行い、衝突回避の支援機能などを装備した。
この2車種を軸にして、ミニバンが再び注目を集めそうだ。そこで新型ヴォクシー&新型ノアとセレナを徹底的に比べてみたい。
なお、新型ヴォクシー&新型ノアについては、2014年1月20日に「トヨタ新型ヴォクシー・新型ノア(ハイブリッド)新型車解説」を掲載した。この解説もご一読いただくと、さらに理解が深まると思う。

【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ エクステリア対決】

トヨタ 新型ヴォクシー&ノア
ヴォクシー&ノアは、新型になって全長を100mm拡大して4,695mmになった(標準ボディ)。そのためにホイールベース(前輪と後輪の間隔)を含めてセレナとボディサイズはほぼ同じ。
ただし、ヴォクシー&ノアは前述のように低床プラットフォームを採用したので、全高は40mmほど低い。外観の見栄えはユーザーによって見方が異なるが、ヴォクシー&ノアは新型になってセレナに近づいた。側方視界を向上させるため、サイドウィンドウの下端を低く抑えたからだ。フロントマスクの造形も、新型ノアとセレナは良く似ている。
トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド日産セレナ
最小回転半径は、新型ヴォクシー&新型ノアがグレードを問わず「5.5m」。セレナは15インチタイヤ装着車は「5.5m」だが、エアロパーツを備えたハイウェイスターの16インチ装着車は「5.7m」に拡大する。
取りまわし性はほぼ同じだが、エアロパーツ装着車については新型ヴォクシー&新型ノアが少し有利だ。
乗降性は圧倒的に新型ヴォクシー&新型ノアが勝る。新型は床を平均して85mmほど下げたからだ。カタログに掲載される床面地上高が360mmになるのは、スライドドア開口部の前端部分。
中央付近は380mmくらいだが、それでもフラットフロア構造のミニバンではかなり低い。そしてセレナの床の高さは先代ヴォクシー&ノアと同等だから、新型に比べれば80mmほど高い。ステップワゴンも20mmほど高い。なので新型ヴォクシー&新型ノアの床面は、ライバル車の中では一番低いことになる。
新型ヴォクシー&新型ノアで乗り降りがしやすいと感じるのは、床が低いために路面から足が直接床面に届くことだ。セレナでは小さなサイドステップを介して乗降するが、新型ヴォクシー&新型ノアであればその必要はない。
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【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ インテリア対決】

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運転席に座ってインパネをチェックすると、質感は新型ヴォクシー&新型ノア、セレナともに満足できるレベルにある。質感は互角と考えて良い。
スイッチ類の操作性も同様だ。ヴォクシー&ノアは新型になってインパネの下側を手前に張り出させ、ATレバーとエアコンのスイッチを装着した。セレナもATレバーは同じような位置に備わり、操作性は良い。
メーターはセレナがインパネ最上部の奥まった位置に装着され、新型ヴォクシー&新型ノアよりも視認性が優れる。前方からメーターに視線を移した時も、目の焦点移動が少ない。
日産セレナ日産セレナ
半面、セレナはインパネの最上部が高く、小柄なドライバーが運転すると少し圧迫感を抱く。
ちなみに先代ヴォクシー&ノアも、メーターをインパネ中央の高い位置に備えていた。これをハンドルの奥側に移動させたのは、前方視界を向上させるためだ。メーターの配置は一長一短で、視認性ならセレナ、前方の見やすさなら新型ヴォクシー&新型ノアとなる。
後者については、前方視界が開けたことでボンネットの手前が少し視野に入る。車幅も把握しやすくなった。側方の視界は同程度。先代ヴォクシー&ノアはセレナに比べてサイドウィンドウの下端が高く、側方視界が悪かったが、新型になって60mmほど低く抑えたからだ。
右側のサイドウィンドウを開いて後方を振り返ると、後輪が視野に入る。これはサイドウィンドウの下端が低い証で、駐車時に白線に合わせやすいメリットもある。
安全運転の基本は車両の周囲に潜む危険を早期に発見することだから、新型ヴォクシー&新型ノアとセレナは安全性に配慮したボディ形状ともいえるだろう。

【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ 座り心地対決】

トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド
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1列目シートの座り心地は両車ともに互角。セレナは座面後方の沈み方が少し大きめだが、クせのある座り心地ではない。対する新型ヴォクシー&新型ノアの1列目シートは、肩まわりのサポート性も相応に優れて快適に座れる。
2列目シートは、ミニバンにとって快適性が重視されるため、両車とも造り込みは入念だ。座面の奥行は十分に確保され、座り心地にもボリューム感がある。新型ヴォクシー&新型ノアは2列目がベンチタイプの「8人乗り」とセパレートタイプの「7人乗り」が用意されているが、どちらを選んでも座り心地に大きな差はない。
ただし、新型ヴォクシー&新型ノアの「ハイブリッド」には注意したい。1列目の下側に駆動用のニッケル水素電池が搭載されるため、2列目に座った同乗者の足が収まりにくいからだ。快適に座るには、ノーマルエンジン車に比べてスライド位置を後方に移動させる必要があり、3列目の足元空間は狭まってしまう。
日産セレナ日産セレナ
そして、3列目シートの居住空間はどうだろうか。ここでは条件を合わせるために、新型ヴォクシー&新型ノアは2リッターのノーマルエンジン車でチェックしてみよう。身長170cmの大人6名が乗車すると考えて、新型ヴォクシー&新型ノア、セレナともにドライバーズシートは運転姿勢を最適に合わせた。さらに、2列目に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ分に調節し、2列目の乗員に窮屈感を生じさせないようにした。
この状態で3列目に座ると、新型ヴォクシー&新型ノア、セレナともに膝先空間は握りコブシ2つ少々。寸法的には同程度だが、床と座面の間隔は新型ヴォクシー&新型ノアに若干の余裕が見られる。また新型ヴォクシー&新型ノアは、3列目に座る乗員の足が2列目の下側に収まりやすい。
以上のような造り込みの違いにより、3列目の居住性は新型ヴォクシー&新型ノアがわずかに上まわった。
ちなみにステップワゴンの3列目の足元空間は同程度だが、床下格納を採用したからバックレストの下側が硬い。座り心地も考えると、新型ヴォクシー&新型ノアの居住性はセレナとステップワゴンに勝る。

【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ シートアレンジ対決】

トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド
トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド日産セレナ
次はシートアレンジを比べたい。
セレナはシートアレンジが豊富で、2列目の中央部分を1列目までスライドさせると収納ボックスとして使える。2列目の左側には、左右方向のスライド機能も設けた。使うか否かを別にすれば、新型ヴォクシー&新型ノアよりもセレナの方が車内機能は凝っている。
一方、新型ヴォクシー&新型ノアについては、シートアレンジを実用指向に絞り込んだ。
2列目がセパレートタイプとなる「7人乗り」は、2列目に左右方向のスライド機能が与えられ、大きく後方に寄せることも出来る。足元空間が大幅に広がるわけだ。
「8人乗り」については2列目の座面が持ち上がり、前方に大きく寄せられる。2名以内で乗車する時、3列目の折り畳み機能と併用すれば、車内の後部にボックス状の広い荷室を確保できる。
さらに先代型と同様、3列目がレバー操作だけで跳ね上がることも新型ヴォクシー&新型ノアのメリットだ。セレナも軽く持ち上がるが、レバー操作だけで畳めるわけではない。
ただし、新型ヴォクシー&新型ノアは高い位置に跳ね上がるので、荷室のサイドウィンドウが機能しなくなる。セレナは低い位置で畳めるから、斜め後方の視界を確保しやすい。
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【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ ドライビング対決】

トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッド
運転感覚はどうだろうか。
まずはノーマルエンジンの動力性能だが(セレナのハイブリッドはモーターの駆動力が低くノーマルエンジンと考える)、車両重量はセレナの方が80kgほど重い。多彩なシートアレンジを採用したこともあって重量が増した。その代わりに、最大トルクも21.4kg-m(4,400rpm)で、新型ヴォクシー&新型ノアの19.7kg-m(3,800rpm)を上まわる。
なので車両重量と動力性能のバランスは互角だが、ヴォクシー&ノアが新型になって最大トルクの発生回転数を3,800rpmに下げたので、実用回転域の駆動力が高まって運転がしやすい。
エンジン回転が上昇すれば両車とも大差はないが、発進直後の1,500~2,000rpm付近では、新型ヴォクシー&新型ノアに余裕を感じる。
日産セレナ
新型ヴォクシー&新型ノアはハイブリッドも用意されているが、基本的な性能はプリウスと同じだ。動力性能はノーマルエンジンと大差ない。ただし巡航中に軽くアクセルを踏み込んだ時は、モーターの駆動力がエンジンを効果的にサポート。ノーマルエンジンでいえば2.2リッタークラスに体感される。
加速感が滑らかで、アクセルペダルを深く踏み込まない限り、静粛性が優れていることもメリットだ。走行安定性と操舵感は、低床設計によって重心を低く抑えた新型ヴォクシー&新型ノアが勝る。セレナはやや腰高感が伴い、後輪の接地性を確保するために操舵に対する反応も鈍い。新型ヴォクシー&新型ノアは低床設計で走行安定性が確保されており、操舵感は自然な印象だ。
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新型ヴォクシー&新型ノアで興味深いのは、乗員が体感されるボディの傾き方。床の位置は前述のように低くなったが、床と座面の間隔を広げたので、乗員の視線の地上高はほとんど変わっていない。それなのに傾いた時の角度が小さく感じる。
この背景には低重心化のほか、ボディ剛性の向上とサスペンションの見直しがある。剛性を高めて足まわりのチューニングも変更した結果、挙動の変化が穏やかになった。ゆっくりと姿勢が変わるため、乗員が不安を感じにくい。
乗り心地は15インチタイヤ装着車で比較すると、両車ともに互角だ。路面上の細かなデコボコは伝えにくい。コスト低減の厳しいミニバンとあって、重厚な印象は受けないが、機能と車両価格を考えれば満足できる。
16インチタイヤ同士の比較では、ヴォクシー&ノアが少し快適。セレナの場合、16インチタイヤを履いたハイウェイスターは足まわりをあえて硬めの設定にした経緯があり、乗り心地が少し低下した。その分だけ前述の操舵感の鈍さは抑えられている。

【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ 燃費対決】

トヨタ 新型ノア
JC08モード燃費は、セレナの20X・SハイブリッドとハイウェイスターSハイブリッドは16km/L。新型ヴォクシー&新型ノアのノーマルエンジン車(アイドリングストップ付き)も16km/Lで等しい。
新型ヴォクシー&新型ノアのハイブリッドは、セレナと異なって本格的なモーター駆動の機能を備えるので23.8km/Lまで高まる。今のところ人気が高いのはハイブリッドだが、30万円を超える価格差を燃料代の差額で埋めるには、8~9万kmを走らねばならない。
ハイブリッドの加速感や静粛性が優れているものの、1年間の走行距離が1万km以内の場合は、ノーマルエンジン搭載車を選ぶ方が得策だろう。ハイブリッドを選択するなら、使い方と走行距離を考えて損失が生じないようにしたい。
トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較

【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ 総評】

日産セレナ
以上を比較すると設計が新しい分だけ新型ヴォクシー&新型ノアが優勢だが、最も大きな欠点として衝突回避の支援機能が非設定になっている。
セレナはカメラ方式を採用した。セレナも作動する速度域は時速10~80kmで、スバルのアイサイトに比べて機能が見劣りするが、得られる安全性は決して低くない。目下のところ新型ヴォクシー&新型ノアも開発中だから、今後の一部改良やマイナーチェンジで装着されるだろう。
セレナについてはエマージェンシーブレーキと併せて車線逸脱警報の機能も装着されている。サイド&カーテンエアバッグは新型ヴォクシー&新型ノアは全車にオプション設定としているが、セレナでは20G・Sハイブリッド以上になってしまう。エアバッグは、新型ヴォクシー&新型ノアの方が装着しやすい。
トヨタ 新型ヴォクシー&ノア
価格の割安感は、新型ヴォクシー&新型ノア、セレナともに互角。
20X・Sハイブリッドは、エマージェンシーブレーキを装着して238万4,550円だ。新型ヴォクシー&新型ノアはノーマルエンジンを積んだXの8人乗りが237万円になる。新型ヴォクシー&新型ノアに衝突回避の支援機能は装着されないが、Xであればセレナ20X・Sハイブリッドがオプションにしているスライドドアの電動機能が左側に装着され、LEDヘッドランプも付く。
セレナのエマージェンシーブレーキの価格換算額は6~7万円なので、装備の違いを補正すれば割安感は同等だ。ミニバンは大半の車種が国内専売で、海外の事情に左右されにくい。そして2リッターエンジンを搭載して標準ボディを5ナンバーサイズに抑えた背の高い売れ筋ミニバンは、ヴォクシー&ノア/セレナ&ランディ/ステップワゴンに限られる。
オーテック セレナライダー
なので開発もライバル車を徹底的に研究しながら進められる。となればヴォクシー&ノアがステップワゴンの低床設計に対抗したのは必然の成り行きで、エンジンの下側を除くとプラットフォームを刷新した。
これが奏効して、乗降性、居住性、走行安定性を向上させている。セレナとの比較では、乗降性、居住性、走行安定性、操舵感はヴォクシー&ノアが勝る。シートアレンジ、取りまわし性、乗り心地、価格設定はトータルで見れば互角だ。安全装備の充実度はセレナが勝る。
トヨタ 新型ヴォクシーハイブリッドトヨタ 新型ノア
いうなれば新型ヴォクシー&新型ノアには「後出しジャンケン」の優位があり、機能全般で見ればセレナを上まわった。
それでも安穏としてはいられない。2014年中にステップワゴンがフルモデルチェンジを行い、あらゆる部分でヴォクシー&ノアとセレナを上まわるように煮詰めてくるだろう。
となれば新型ヴォクシー&新型ノアも安全装備の充実を含めて、商品力をさらに高めないと販売面で差を付けられる。同様の競争関係は軽自動車にも見られ、お互いが刺激し合って商品力を高めて行く。日本専売の車種は人気車にならないと成り立たず、日本のユーザーの生活を見据えた開発を行う。
セダン/ワゴン/SUVなど、海外向けの商品との決定的な違いもそこにある。表現を変えれば、日本のメーカーが日本のユーザーのために開発するのは、今では軽自動車とミニバン、一部のコンパクトカーだけになった。
日産セレナ
だから新型ヴォクシー&新型ノアを見ていると、マークII、スカイライン、レガシィなどが5ナンバー車だった時代が思い起こされる。日本車の黄金時代を今に受け継ぐ、数少ないクルマだ。
今の日本車メーカーは海外を相手に商売をしているが、開発者の多くは日本人だ。クルマ造りの焦点を少し変えるだけで、日本の市場は活性化する。そして将来を見通せば、自動車という商品は、現地生産/現地消費になっていく。
基本的には地域密着型の商品で、新興国も自動車技術を高めて自国で生産するようになるからだ。
トヨタ 新型ヴォクシー&ノア
となれば今は世界で幅を利かせる日本のメーカーも、再び国内販売中心の規模に収斂(しゅうれん)される。そこまで視野に入れれば、日本の市場を軽く扱うことはマイナスだろう。ヴォクシー&ノアのような、日本を大切にした商品の開発にもっと力を入れるべきだ。
今の日本車メーカーのクルマ造りを、読者諸兄はどのようにお考えだろうか。

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