スズキ 新型ラパン vs ダイハツ ミラココア どっちが買い!?徹底比較

スズキ 新型ラパン vs ダイハツ ミラココア どっちが買い!?徹底比較
軽自動車といえば、全高を1,600mm以上に設定した背の高い車種が売れ筋だ。
「ホンダ N-BOX」「ダイハツ タント」「スズキ ワゴンR」「ダイハツ ムーヴ」といった車種が定番で、最近はSUV風の「スズキ ハスラー」も人気を高めている。いずれもファミリーで使えるミニバンに似た機能を備えるが、軽自動車はほかのジャンルに比べるとユーザーの女性比率が高い。
初代アルトラパンダイハツ ミラココア
そこで若い女性をターゲットに開発されたのが「スズキ アルトラパン」と「ダイハツ ミラココア」だ。
外観は丸みのある形状で、いかにも女性向けという印象。全高は1,550mm以下だから(ミラココアのプラスXはルーフレールの装着で1,560mm)、立体駐車場も利用しやすい。
ラパン(アルトラパン)の初代モデルは2002年に登場して人気を高め、2008年に2代目へフルモデルチェンジされた。これも堅調に売れて、2015年6月には3代目に一新されている。
ライバル車のミラココアは2009年に登場した。外観や全高がアルトラパンに似ていて、後追いの商品というイメージはあるが、人気を相応に高めた。今回はこの2車を比べたい。

新型ラパン vs ミラココア/エクステリア比較

スズキ 新型アルトラパンダイハツ ミラココア
ラパンとミラココアの外観は良く似ている。両車とも水平基調のデザインだが、角に丸みを付けて柔和な雰囲気に仕上げた。ヘッドランプも丸型だ。
ちなみに初代アルトラパンが登場した2002年頃には「癒し系」という言葉が流行した。「癒し」が新語・流行語大賞にノミネートされたのが1999年だから、初代アルトラパンの企画にも影響を与えたのだろう。
長引く経済不況など、暗くなりがちな世相の中で、クルマに限らず今の「ゆるキャラ」的な商品が芽生えた。このような結果論的な見方もできるが、ラパンの外観には、背の高い軽自動車とは違う楽しさ、面白さがあり、その個性が注目された。
2代目も、ボディパネルの張りを強めながら初代モデルの基本デザインを踏襲している。
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しかし、3代目では雰囲気が変わった。フロントマスクは素朴な感じだがボディサイドは骨太だ。面白い造形に仕上げた
その理由のひとつは、ボディの下まわりやタイヤの収まるホイールハウスに装着されたブラックの樹脂パーツにある。マツダ CX-3のようなSUVも採用しており、ボディを強固にガードするイメージだ。
2つ目の理由は、初代や2代目に比べてボディに付けられた丸みのR(半径)を大きく取ったこと。これが丸さを大胆に見せている。
3つ目にはホイールベース(前輪と後輪の間隔)の拡大もある。先代型に比べると60mm長い2,460mmになり、4輪がボディの四隅に踏ん張る形状になった。
もっとも、ライバル車のミラココアのホイールベースは、さらに30mm長い2,490mm。設計の新しい現行ムーヴやタントは、衝突時の安全向上のために2,455mmに短縮されたが、ミラココアは設計が古く35mm長い。最近のデザイントレンドはホイールベースを伸ばす方向にあるため、ミラココアも登場後6年を経過しながら、あまり古さを感じさせない
ミラココアの特徴として、サイドウィンドウの窓枠をハッキリと見せるデザインも挙げられる。荷室の左右にクォーターウィンドウも備わり、ミラココアの外観を好むユーザーも少なくないだろう。
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スズキ 新型ラパン vs ダイハツ ミラココア どっちが買い!?徹底比較

新型ラパン vs ミラココア/内装比較

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ラパンとミラココアの内装は、若い女性ユーザーに向けた商品とあって、両車ともに質感を重視している。
基本的なレイアウトは水平基調で、インパネ中央の下側にATレバーとエアコンスイッチを配置した。メーターの視認性を含めて、実用的な機能に大差はない。
収納設備と装飾類は、設計の新しいラパンが凝っている。インパネの手前をテーブルのように仕上げ、上級のXやSでは明るい木目調とした。
この下側(助手席の前側)には収納ボックスが装着され、初代アルトラパンよりもサイズの大きな引き出し式。ボックスティッシュが収まる容量がある。演出といえばそれまでだが、自宅にいるようなリラックス感覚を味わえる。

新型ラパン vs ミラココア/居住性比較

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軽自動車の場合、車内が広いのは全高が1,600mmを超える背の高い車種だけだと思われがちだが、ラパンとミラココアの後席もかなり広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は、ラパンが握りコブシ2つ半。ミラココアも2つ少々に達する。
フィットと同程度だから、後席の足元空間は前後長についてはコンパクトカーの平均水準を上まわる。
座り心地は、前席は両車ともに快適。特にラパンは座面の奥行にタップリした余裕があり、ファブリックのシート表皮は伸縮性が良いから座り心地も柔軟だ。
後席はラパンの場合、体が深く沈むのは良いが、乗員の腰骨が背もたれと座面の間にあるシートの骨格に当たりやすい。深く座るのが基本だから、改善を施して欲しい。ミラココアも座面の底突き感が少し伴うが、さほど不満はない。

新型ラパン vs ミラココア/荷室比較

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両車ともに荷室は狭い。
全高が標準ボディは1,550mmを下まわり、後席の足元空間を広げたから取り付け位置は後ろ寄りだ。しかもリアゲートを少し寝かせたから、車内の最後部に位置する荷室はさらに狭くなった。
ミラココアで注意したいのは、後席の背もたれの前倒し機能が左右一体型になることだ。
分割して倒せないから、3名乗車で荷物を積む時には不便を感じる。その点、ラパンは背もたれを左右分割して倒せるため、後席にチャイルドシートを装着した時なども使いやすい。
後席の分割可倒機能はミラココアにも必要だろう。
スズキ 新型ラパン vs ダイハツ ミラココア どっちが買い!?徹底比較

新型ラパン vs ミラココア/エンジン・動力性能比較

両車ともにエンジンはノーマルタイプを搭載する。背の高い軽自動車と違ってボディが比較的軽く、峠道や高速道路の登坂路を除くと力不足を感じにくい。その上で比べると動力性能はラパンが勝る
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まずはエンジンの特性だ。
ミラココアは6.1kg-mの最大トルクを5,200回転で発揮するから少し高回転指向。4,500回転付近から加速が活発化する性格がある。ラパンは最大トルクが6.4kg-mで、4,000回転で発生する。ミラココアよりも実用回転域の駆動力が高く、運転がしやすい。
車両重量も異なり、ミラココアの2WDは810kgだが、ラパンのCVT(無段変速AT)仕様は680kgに収まる。軽自動車で130kgの違いは大きく、動力性能に差が生じた。
なお、ラパンで最も価格の安いGには「5速AGS」が装着される。ATではあるがCVTではなく、シングルクラッチを使った5速タイプ。同じ機能を備えたエブリイやアルトに比べると、半クラッチ制御がさらに洗練され、シングルクラッチATにありがちな変速時のギクシャク感(駆動力が途絶えることによる前後方向の揺れ)を上手に抑えた。

新型ラパン vs ミラココア/走行安定性比較

スズキ 新型アルトラパン
ラパンは、現行型のアルトから採用が開始された新しいプラットフォームを使う。軽量でボディ剛性も高く、天井は軽自動車では低めだから、低重心と相まって4輪の接地性は良好だ。走行安定性は優れた部類に入る。
ただしボディの基本性能が高まると、欲が出るというか、さらなる改善点も生じる。まずはスタビライザー(ボディの傾き方を制御する棒状のパーツ)が装着されないこともあり、カーブを曲がったり車線を変更する時に、ボディが大きめに傾く。この動きはもう少し抑えたい。
またスズキの軽自動車にありがちな傾向として、電動パワーステアリングの操舵感が少し曖昧だ。特に切り始めの段階で車両の向きが変わりにくく、もう少し正確性を高めて欲しい。加えてラパンのステアリングは、ギヤ比がほかの軽自動車に比べて低い(ローギヤード)。
右側から左側まで最大舵角を回した時のロック・トゥ・ロックは4.1回転。運転のしやすさを考慮したためだが、これも前述の曖昧さを助長する。車庫入れ時などのハンドル操作も忙しい。プラットフォームを刷新した結果、ステアリング関連の古さが目立ってきた。
一方、ミラココアは設計が古いこともあり、ラパンに比べると全般的に運転感覚が緩い。操舵に対する反応も鈍めで、速度を高めて曲がれば旋回軌跡を拡大させやすいが、バランスは取れている。それでも前後のサスペンションにスタビライザーを組み込んだムーヴは、高重心でありながら、直進時、旋回時ともに安定性を高めた。
ムーヴと同じプラットフォームを使ってミラココアを新たに開発すれば、コンパクトカーに匹敵する運転感覚を得られるだろう。

新型ラパン vs ミラココア/乗り心地比較

設計の新しいラパンが有利で、やや硬めではあるが軽自動車としては快適に仕上げた。
大きめの段差を乗り越えた時の突き上げ感も上手に抑えている。タイヤが路面の上を転がる時のノイズは小さくないが、総合的な快適性は高い。このラパンに比べると、ミラココアは少し粗い印象で設計の古さを意識させる

新型ラパン vs ミラココア/安全・快適装備比較

スズキ 新型アルトラパン
安全装備では大差が付く。
ラパンは、赤外線レーザーを使った衝突回避の機能を全車に標準装着した。作動速度の上限は時速30kmだが、緊急自動ブレーキを作動させることも可能だ。横滑り防止装置も全車に標準装着している。今後はサイド&カーテンエアバッグも設定して欲しい。
ミラココアはこれらの安全装備がすべて用意されない。

新型ラパン vs ミラココア/燃費比較

2WDモデルで見ると、売れ筋になるラパンのCVT装着車は、JC08モード燃費が「35.6km/L」。最も価格の安い「G」は、5速AGSでアイドリングストップも付かず「29.6km/L」になる。
ミラココアはCVT装着車のみで、アイドリングストップも採用するが、JC08モード燃費は「29km/L」だ。ラパンは軽量化を含めた数々の低燃費技術により、優れた数値を達成している。
エコカー減税は、ラパンの2WDはすべて免税。ミラココアは自動車取得税が80%、同重量税が75%の減税になる。ボディが軽いこともあり、エンジンは両車ともにノーマルタイプのみ。ターボは用意していない。

新型ラパン vs ミラココア/グレード・価格の割安感比較

ラパンのグレードは4種類。最も安いのは5速AGSのG(107万7,840円)で、最上級はアルミホイールなどを装着するX(138万9,960円)だ。そして買い得なのはS(128万5,200円)になる。
ミラココアでは、ルーフレールなどを装着したプラスX(140万4,000円)もあるが、買い得グレードは実用装備を充実させたX(129万6,000円)だ。ラパンは設計の新しい車種とあって、Sの価格をミラココアXよりも約1万円安く抑えた。しかも衝突回避の支援を行うレーダーブレーキサポート、横滑り防止装置などを標準装着する。
ミラココアはエアコンのオート機能などを備えるが、買い得感はラパンが勝る

新型ラパン vs ミラココア/総評・どっちが買い!?

スズキ 新型アルトラパンダイハツ ミラココア
ラパンとミラココアでは、登場時期に約6年の差がある。
クルマの技術は日進月歩だから、特に安全面と燃費性能では、ラパンが大幅にリードしている。
デザインの好みが左右するジャンルではあるが、客観的に比べればラパンが明らかに買い得だ。
またこの2車種が類似したアイデア商品であることは否めず、先に実現させたのは2002年に登場した初代アルトラパン。この点でもラパンには、本家としての優位性がある。
ミラココアは安全装備が遅れていて、プラットフォームの設計も古い。大幅なテコ入れが必要になった。

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