スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較

人気のコンパクトSUV市場へ新たに投入されたスズキ 新型エスクード!

スズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッド
「家族で便利に使えるクルマが欲しいけれど、運転の楽しさも味わいたい」と考えるユーザーにとって、ちょうど良い選択肢がSUVだろう。
SUVは空間効率に優れ、運転のしやすい小さめのサイズでも居住性や積載性に余裕があるからだ。
ボディの上半分はワゴンや5ドアハッチバックに準じた形状だから、居住性や積載性に優れている。運転の楽しさなどの趣味性を満喫できて、ファミリーカーとしても使いやすい。こういった特徴が受けて、最近はSUVが堅調に売れており、各メーカーともSUVを積極的に投入するようになった。
従来は「日産 エクストレイル」「スバル フォレスター」などのミドルサイズが売れ筋だったが、2010年に「日産 ジューク」、2013年に「ホンダ ヴェゼル」などの1.5リッタークラスのコンパクトな車種が登場して、そちらへと人気が移りつつある。
そして2015年10月に新たに加わったのが、1.6リッターエンジンを搭載するコンパクトSUVのスズキ 新型「エスクード」だ。2.4リッターの従来型は、スズキ エスクード2.4として継続生産される。これを迎え撃つのは、前述の「ホンダ ヴェゼル」。今回はこの2車種を比べたい。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/エクステリア比較

スズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッド
エスクードのボディサイズは全長が4,175mm、全幅が1,775mm、全高が1,610mm。全長はノートなどのコンパクトカーよりも少し長い程度だが、全幅は1,700mmを超えて3ナンバー車になる。コンパクトSUVに多いパターンだ。
対するヴェゼルは、全長はエスクードよりも120mm長い4,295mmだが、全幅は1,770mm、全高は1,605mmでほぼ同じだ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はエスクードが2,500mm、ヴェゼルは110mm長い2,610mmになる。つまりヴェゼルはエスクードに比べて全長とホイールベースがそれぞれ100mm少々伸ばされている。
最低地上高はエスクードが185mm。ヴェゼルは2WDが185mm、4WDは170mmになる。
外観はエスクードが直線基調で仕上げた。駆動方式はヴェゼルと同じく前輪駆動とこれをベースにした4WDだが、外観の見栄えは後輪駆動ベースの4WDを搭載したオフロードモデルのエスクード2.4に似ている。
ヴェゼルの外観はエスクードよりも都会的。フェンダーやルーフラインの丸みが強調され、SUVというよりも5ドアハッチバックのイメージで仕上げた。
視界と取りまわし性はどうか。エスクードの外観は水平基調だから、斜め後方の視界も悪くない。全長が短く、最小回転半径も5.2mだから取りまわし性が良い。
ヴェゼルはサイドウィンドウの下端を後ろに向けて持ち上げたから、斜め後方の視界が少し不満だ。最小回転半径も5.3mで若干大回りになる。
スズキ エスクードスズキ エスクードスズキ エスクードスズキ エスクードスズキ エスクード
ホンダ ヴェゼルハイブリッドホンダ ヴェゼルハイブリッドホンダ ヴェゼルハイブリッドホンダ ヴェゼルハイブリッドホンダ ヴェゼルハイブリッド
スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/インテリア比較

スズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッド
インパネのデザインは、エスクードがシンプルに仕上げた。
カーナビの画面やエアコンは中央部分に機能的に配置している。エアコンのスイッチは位置が少し低めだが操作性は良い。横長に装着されたシルバーのパネルに刻まれた模様は好みが分かれそうだが、質感に不満はない。
ヴェゼルはフィットに似た印象だが、質感はコンパクトSUVでは高めの水準になる。
エアコンはタッチパネル式。エスクードのプッシュ式スイッチと違って手探りの操作がしにくいが、見栄えは日本車的な価値観で見れば良いだろう。このあたりは一長一短だ。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/シート・居住性比較

スズキ エスクードスズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッドホンダ ヴェゼルハイブリッド
前席は両車とも十分なサイズがある。
座り心地はエスクードは座面が硬めで、腰の近辺をしっかりと支えるタイプだ。シートの生地は本革&スエードで、伸縮性が乏しいことも硬めに感じる理由だろう。欧州のベーシックカーを連想させ、日本車のシートに座り慣れていると、ボリュームやリラックス感覚が乏しく感じる。高い速度域の長距離移動を視野に入れた造りだ。
ヴェゼルの前席は体がシートに適度に沈んで馴染みやすい。それでも背もたれの腰が当たるところは硬めに造り込まれ、着座姿勢は乱れにくい。両車ともに持ち味は違うが満足できるシートに造り込んだ。
後席は、エスクードは前席と同様に座り心地が硬めになる。座面の前側を適度に持ち上げて、大腿部が座面から離れるのを防いだ。座面の奥行寸法は十分に確保したが、足元空間は広くない。
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ半程度にとどまる。それでも前席の下に十分な空間があって足が収まりやすいため、視覚的に感じるほど狭くはない。
ヴェゼルはホイールベースがエスクードに比べて110mm長く、後席の足元空間もかなり広い。エスクードと同様の測り方で、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ半の余裕がある。Lサイズセダンに匹敵するから、4名で乗車しても快適だ。
座り心地は前席ほど柔軟ではないが、底突き感もなく、おおむね快適に座れる。前席はエスクードに欧州車感覚の個性を感じるが、ファミリーユーザーが居住性を重視して選ぶならヴェゼルが適するだろう。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/荷室・シートアレンジ比較

スズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッド
次は、荷室の使い勝手を比べたい。
エスクードの荷室容量は5ドアハッチバックと同等だ。専用のラゲッジボードを高い位置にセットして、後席の背もたれを前に倒すとフラットで広い荷室に変更できる。ただし荷室の背面には傾斜が付いて、特に工夫された印象はない。
一方、ヴェゼルはプラットフォームの基本形状がフィットに準じるため、燃料タンクを前席の下に搭載する(エスクードは一般的な搭載方法で後席の下側)。なので後席を床面へ落とし込むように畳める。
荷室の床も低いために容量が大きく、サイズによっては自転車も積める。後席の座面を持ち上げて、車内の中央に背の高い荷物を持ち込むことも可能だ。荷室とシートアレンジの機能はヴェゼルが圧倒的に勝る
スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/動力性能比較

スズキ エスクード
エスクードのエンジンは直列4気筒の1.6リッター。最高出力は117馬力(6,000回転)、最大トルクは15.4kg-m(4,400回転)になる。CVT(無段変速AT)ではなく、有段式の6速ATと組み合わせたことが特徴だ。
エンジンの性格は少し高回転指向。ATも6速とあって、CVTのように走行状況に応じて無段変速を行い、効率の良い回転域を使うわけではない。だから登坂路などでは2000~4000回転付近の駆動力が不足した印象を受ける。
その半面、ダイレクト感が伴って速度の微調節はしやすい。ギヤ比は全般的に高めに感じられ、高い速度域を視野に入れている。
ホンダ ヴェゼルハイブリッド
ヴェゼルは直列4気筒の1.5リッターと、1.5リッターのハイブリッドを設定した。ノーマルエンジンの動力性能は、最高出力が131馬力(6600回転)、最大トルクは15.8kg-m(4600回転)。トランスミッションはCVTだ。このエンジンも少し高回転指向で実用回転域の駆動力が相対的に低く感じるが、直線的に吹き上がって扱いやすい。
ハイブリッドはノーマルエンジンと同様に直噴式を採用。エンジンとモーターの駆動力を合計したシステム最高出力は152馬力に達した。モーターはエンジンに比べて機敏に反応するので、エンジンが低回転の時に緩くアクセルペダルを踏み増すと、モーター駆動のメリットを感じる。
フル加速している時はノーマルエンジンと大差はないが、回転が下がった時はモーターが効果的に働く。このような状態の動力性能は1.8リッタークラスだ。
両車の動力性能を比較すると、ノーマルエンジン同士は互角だが、ヴェゼルはCVTとあって走行状態に応じた都合の良い制御を行える。エスクードはダイレクト感があってマニュアル感覚に近い。一般的な選択はヴェゼルで、エスクードはベテランのクルマ好きに受けそうだ。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/ボディ・サス・走行安定性比較

スズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッド
エスクードはプラットフォームをSX4 Sクロスと共通化したが、ホイールベースは100mm短い。
ヴェゼルと比べても110mm短いため操舵感覚が比較的機敏だ。ボディとステアリングの支持剛性も高めたので、車両が操舵角度に対して正確に向きを変えることも特徴になる。
このあたりの設定は巧みで、神経質な印象はなくバランスが良い。高重心のSUVで車両の向きが比較的変わりやすく、なおかつホイールベースが短いと走行安定性の低下が懸念されるが、このバランスもおおむね良い。
後輪を中心に4輪がしっかりと接地して、挙動の変化がゆっくりと穏やかに進むから安心できる。
ヴェゼルもエスクードに似た感覚だが、クルマ全体の動きが少し緩い。それでもSUVの中では車両を曲げやすいタイプで、少し背の高い5ドアハッチバックという感覚で運転できる。両車の評価はほぼ互角だ。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/乗り心地比較

スズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッド
エスクードの乗り心地は、街中では少し硬く感じるが、引き締まり感が伴って粗さはない。タイヤが路面上を細かく跳ねるような動きも抑えた。舗装の状態が分かりやすいメリットもあり、スポーティな運転感覚が好きなユーザーにはちょうど良い乗り心地だろう。
ヴェゼルは発売当初は低速域の粗さが気になったが、その後に変更を受けた。硬めだが気にならない乗り心地になっている。
ただし乗り心地の感じ方は、それまで所有してきたクルマによっても異なる。街中の短時間の試乗でも確認できるため、購入するなら必ず試したい。
ちなみにディーラーの試乗車の配車状況だが、エスクードはハンガリー工場で生産される輸入車だから、1ヶ月の販売計画が100台と少ない。
地域によっては展示車を探しにくいので、メーカーのウェブサイトで検索を行い、配車されている店舗に問い合わせると良い。ヴェゼルは1ヶ月の登録台数が平均して5,000台を超える人気車だから試乗車も豊富だ。
スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/安全装備比較

スズキ エスクード
エスクードは緊急自動ブレーキを作動できる安全装備として、ミリ波レーダーを使ったレーダーブレーキサポートIIを標準装着する。
歩行者は見分けられないが、高速域まで作動する。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも装着するが、全車速追従型ではない。時速40km以下ではキャンセルされて、ドライバーがペダル操作をする必要が生じるので使用中は速度に注意したい。
ヴェゼルが装着する緊急自動ブレーキは赤外線レーザーを使う簡易型。作動速度は時速30km以下になる。なので緊急自動ブレーキの機能はエスクードに見劣りするが、サイド&カーテンエアバッグが装着されるメリットがある。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/燃費性能とエコカー減税比較

ホンダ ヴェゼルハイブリッド
4WDモデルのJC08モード燃費は、エスクードが17.4km/L。ヴェゼルはノーマルエンジンが19.0km/L、ハイブリッドXは23.2km/Lになる。
エコカー減税の適合は、エスクードは2WDを含めてすべて対象外。ヴェゼルはハイブリッドが一部のオプション装着車などを除くと免税で、ノーマルエンジン車も取得税が40%、同重量税が25%軽減される。
エコカー減税はヴェゼルが圧倒的に有利だ。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/グレード・割安感比較

エスクードは4WDの価格が234万3600円、2WDは212万7600円になる。
ヴェゼルに当てはめると、ノーマルエンジンのX(4WD:228万6000円/2WD:207万円)に近いが、装備はエスクードが少し充実させた。つまり、買い得感は同等と考えて良いだろう。

スズキ エスクード vs ホンダ ヴェゼル/総評

スズキ エスクードホンダ ヴェゼルハイブリッド
エスクードは操舵感、走行安定性、視界と取りまわし性、乗り心地、前席の座り心地など、主にドライバーが重視する機能が優れている。
4WDには前後の駆動系を直結状態に近づけるロックモード、滑りやすい急な斜面を安定して下れるヒルディセントコントロールなどが備わり、走破力にも配慮した。
対するヴェゼルは、後席の居住性、荷室の容量や使い勝手が優れ、ファミリーカーの機能を充実させている。内外装は都会的でハイブリッドも用意され、エコカー減税にも幅広く対応させたから、数多くのユーザーが購入しやすい。空間効率の優れた5ドアハッチバックに限りなく近いSUVに仕上げた。
1ヶ月の販売計画は、前述のようにエスクードが100台で、ヴェゼルは5000台以上を売る。なのでヴェゼルが日本の市場に適するのは当然だろう。
逆にエスクードはスズキブランドで販売される欧州指向のベーシックカーSUVだ。地味だが使っていくと体に馴染んで飽きにくいクルマだと感じさせる。
この2車種は似通った印象を受けるが、指向性はまったく違う。特に近年のスズキは海外向けの「地味な良いクルマ」を輸入して、日本のクルマ選びを楽しくしている。

コメント