ホンダ 新型ステップワゴン vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較

ホンダ 新型ステップワゴン vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較
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ホンダ 新型ステップワゴンスパーダ COOL SPIRIT(外装色:スーパープラチナ・メタリック)
「ミニバンが欲しい!」と思っている読者諸兄にとって、いま最も気になる車種が「ホンダ ステップワゴン」ではないだろうか。
エンジンは長年にわたって2リッター直列4気筒を搭載してきたが、新型は1.5リッターのターボに切り替えた。日本はかつてターボ車が豊富だったのに、今は燃費を視野に入れた小排気量ターボの発展途上国。ステップワゴンが搭載したことで、小排気量ターボが一気に身近になった。
使い勝手では「わくわくゲート」も注目される。縦開き式のリアゲートに、横開き式のサブドアを組み込み、狭い場所での開閉を容易にした。荷物の出し入れがしやすいだけでなく、3列目の左側を畳めば、このサブドアから乗り降りすることも可能だ。
新型ステップワゴンが発売されたのは2015年4月24日で、5月31日の時点で1万5,000台を受注したという(1ヶ月の販売計画の約3倍)。先代型は発売後1ヶ月で1万8,000台を受注したから、まずまず堅調なスタートと言えるだろう。
新型ステップワゴンについては、4月23日に「ホンダ 新型(5代目)ステップワゴン 新型車解説」、5月2日には「ホンダ ステップワゴン vs トヨタ ノア・ヴォクシー どっちが買い!?徹底比較」、5月12日には「ホンダ 新型ステップワゴン 試乗レポート」、5月20日には「ホンダ ステップワゴンの新型と旧型を比較してみた」と、数回にわたって記事を掲載しており、いずれも多くのユーザーに閲覧されている人気記事ばかりだ。
そして今回は、新型ステップワゴンと「日産 セレナ」を比べてみよう。前述の記事と併読されると、さらに理解が深まるはずだ。
現行セレナは2010年11月に登場。すでに4年以上を経過してマイナーチェンジも受けたが、売れ行きは今でも堅調だ。ライバル車のトヨタ ヴォクシーにはおよばないが、ノアよりは売れている。

ホンダ ステップワゴン vs 日産 セレナ/エクステリア対決

ホンダ 新型ステップワゴン G・EX(外装色:ホワイトオーキッド・パール)日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ
まずは外観だが、ステップワゴンとセレナの両方に共通するのは、ミニバンとしてはサイドウィンドウの下端を低めに抑えたことだ。もともとミニバンはウィンドウの位置が高いために左側面や前後の死角が大きく、そこを少しでも抑えるようにデザインされた。
フロントマスクはセレナがミニバンの王道を行く造形。エアロパーツを装着したハイウェイスターだけでなく、標準ボディもメッキグリルを目立たせた。
対するステップワゴンは、新型になって路線を変更。標準ボディはグリルの部分に半透明の樹脂を使い、エアロパーツを備えたスパーダも、鏡のようなキラキラと光るメッキにはしていない。フロントマスク、ボディサイドともに丸みを持たせて柔和な印象に仕上げた。
全高はステップワゴンが1,840mm、セレナは1,865mmで、後者が25mm高い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はステップワゴンが2,890mm、セレナは30mm短い2,860mmになる。
最小回転半径はステップワゴンが全車にわたり5.4m。セレナは15インチタイヤ装着車が5.5m、16インチは5.7mだから、ステップワゴンは設計が新しいこともあって、ホイールベースを伸ばしながら小回り性能も良い。
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ホンダ 新型ステップワゴン vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較

ホンダ ステップワゴン vs 日産 セレナ/インテリア対決

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次は内装を比べよう。
ステップワゴンは新型になってメーターをインパネ最上部の奥まった位置に装着したので、セレナに配置が似てきた。
前方から視線をメーターに移した時は見やすいが、小柄なドライバーは圧迫感が生じたり、前方視界に不満を感じることがあるので注意したい。
インパネの操作性は両車ともに同等で使いやすく仕上げた。内装の質感は、設計が古いものの、セレナもそれなりに上質。大きな差はない。
居住性は、1列目のシートは両車ともに十分なサイズを確保した。2列目は、ステップワゴンの先代型はベンチタイプが基本だったが、新型ではセパレートタイプになり、ベンチは2万1600円でオプション設定となった。体が適度に沈んでしっかりと支えるから、座り心地は快適だ。
セレナはベンチタイプのみだが、2列目シートの中央が1列目の間までスライドして、収納ボックスとして使える。なのでアームレストは付かないものの、セパレートシートにもなるわけだ。座り心地は相応に柔軟で、2列目でも差は付きにくい。
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3列目は一長一短。ステップワゴンは床と座面の間隔が相応に確保され、座面の柔軟性もミドルサイズの3列目としては良好だ。その代わり床下に格納する時の干渉を避けるため、座面の奥行寸法がセレナよりも35mm短い。なので大腿部の支え方が甘く感じる。
対するセレナの3列目は、サイズは十分にあるが、床と座面の間隔が不足気味で膝が持ち上がりやすい。柔軟性もステップワゴンに見劣りする。
3列目の足元空間は、両車ともに5ナンバーサイズのミニバンでは最大級だ。それでも身長170cmの大人6名が乗車して、1/2列目のスライド位置を同等に調節すると、3列目の膝先空間はステップワゴンの方が握りコブシ半分ほど広い。ステップワゴンは新型になってボディの前側を短く抑え、1~3列目の乗員間隔を40mm広げたから、足元空間にも余裕が生じた。
シートアレンジはセレナが豊富だ。前述のように2列目シートの中央を1列目の中央までスライドさせると収納ボックスになり、2列目の間に空間ができて通路になる。2列目の左側には前後に加えて左右のスライド機能も備わり、中央部を1列目の間に寄せた状態で2列目を右側へスライドさせると、スライドドア付近の間口を広げられる。このほか2列目の右側は座面を持ち上げて前に寄せられるから、3列目の跳ね上げ機能と併せて荷室を広げやすい。
対するステップワゴンは、新型になってシートアレンジを選別した。3列目は左右独立して床下に格納できるようになったが、2列目を畳む機能は省いている。

ホンダ ステップワゴン vs 日産 セレナ/乗降性対決

ホンダ 新型ステップワゴン G・EX(外装色:ホワイトオーキッド・パール)ホンダ 新型ステップワゴン G・EX(外装色:ホワイトオーキッド・パール)
乗降性はステップワゴンの圧勝だ。床面地上高はスライドドアの部分で390~400mm。セレナの450~460mmに比べて60mmほど低い。ステップワゴンは基本的には2世代前と同等だが、この時の低床設計が今でもライバル車をリードしている。
セレナは床が高いためにサイドステップ(乗降用の小さな階段)を備えるが、ステップワゴンには備わらず、路面から床へ一気に足が届く。
ちなみにステップワゴンとセレナの床の高さの違いは、全高と室内高からも類推される。全高は先に述べたようにセレナが25mm高いが、室内高はステップワゴンが1425mm、セレナは1380mmだから後者が45mm下まわる。両方を合計すれば70mm。床の高さ/60mmの違いとおおむね合致する。
しかもステップワゴンは前述のように縦開き式のリアゲートに横開きのサブドアを組み合わせて、狭い場所での開閉を可能にした。
リアゲート部分の開口部地上高は445mm。スライドドア部分の390~400mmに比べると高いが、乗り降りの可能な高さになる。セレナは520mmだから、ステップワゴンは荷室の部分でも70~80mmは低い。荷物の収納性も優れている。
ホンダ 新型ステップワゴン vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較

ホンダ ステップワゴン vs 日産 セレナ/動力性能対決

次は走りを比べよう。
まずはエンジン性能だが、ステップワゴンの1.5リッターターボは最高出力が150馬力(5500回転)、最大トルクが20.7kg-m(1600~5000回転)。セレナは147馬力(5600回転)/21.4kg-m(4400回転)だ。車両重量はステップワゴンG、セレナ20Xともに1650kgだ。
ホンダ 新型ステップワゴンスパーダ COOL SPIRIT(外装色:スーパープラチナ・メタリック)
ステップワゴンの場合、ターボとあって、1500回転以下では過給効果が薄れて駆動力も低下しやすい。
ただしCVT(無段変速AT)の変速がこの回転域を避けるように設定され、実際に不満を感じる機会は少ない。最大トルクが1600~5000回転で発生するので、実走行で多用する2000~4000回転付近には余裕があり、運転がしやすく感じる。
巡航中にアクセルペダルを一気に深く踏み込むと、動力性能の立ち上がるタイミングに少し遅れが生じることもあるが、その場面は少ない。実用域の駆動力に余裕があるから、アクセルを踏み込んでエンジン回転が先行して上昇し、その後に車速が高まるCVT特有の違和感もあまり気にならない。
日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ
セレナのエンジンも扱いやすいが、若干高回転指向だ。4000回転を超えた領域で加速力が活発化する面があり、最大トルクの発生回転数を4000回転以下に抑えるとさらに扱いやすくなるだろう。
セレナで注目されるのはアイドリングストップ。エコモーターを使って再始動させるため、静かにエンジンが掛かる。エンジン停止と再始動を繰り返す市街地走行でも、煩わしさを感じない。
JC08モード燃費は、ステップワゴンの16インチタイヤを装着したGが17km/L。セレナの15インチタイヤを履いた20Xが16km/Lになる。エコカー減税は、ステップワゴンが全車にわたって平成32年度燃費基準を達成したから、購入時に収める自動車取得税が60%、同重量税が50%軽減される。セレナも売れ筋の2WDは同じ減税率だ。

ホンダ ステップワゴン vs 日産 セレナ/走行安定性・旋回性能対決

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走行安定性と旋回性能は、床が低く、なおかつ設計の新しいステップワゴンが勝る。セレナも登場した頃に比べると改善されたが、ハンドルを切り込んだ時の反応はステップワゴンが正確だ。後輪の接地性はセレナも優れているが、少し速度を高めて曲がった時など、前輪が踏ん張って旋回軌跡を拡大させにくいのはステップワゴンになる。
乗り心地はセレナもさほど不満はないが、ステップワゴンの方が粗さを感じにくい。ステップワゴンは従来からの低床設計を受け継ぎながら、ボディ剛性も高めたので、走りと乗り心地で有利になった。
装備については、緊急自動ブレーキを作動できる安全システムに注目したい。ステップワゴンはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせて、幅広い速度域で衝突の回避を支援する。車間距離を自動制御するクルーズコントロールの機能も持たせた。
セレナは単眼カメラ方式で、ミリ波レーダーは使っていない。衝突回避の支援機能が作動するのは時速10~80kmになる。車間距離制御の可能なクルーズコントロールも備わらない。
車両価格は、ステップワゴンGが248万円、セレナ20Xが単眼カメラ方式のエマージェンシーブレーキを含んで245万2680円だ。ステップワゴンは価格が少し高いが、左側スライドドアの電動機能が標準装着され、前述の「わくわくゲート」も備わる。エンジンを1.5リッターのターボに変更したことも含めると、従来以上に割安感を強めた。

ホンダ ステップワゴン vs 日産 セレナ/総括

ホンダ 新型ステップワゴン G・EX(外装色:ホワイトオーキッド・パール)
以上を総括すると、後発のステップワゴンが買い得だ。低床設計と「わくわくゲート」による乗降性&積載性、走行安定性、動力性能、さらに安全装備でもセレナをリードする。
一方、シートアレンジのバリエーションは今でもセレナが多彩。3列目シートの座り心地も、ユーザーによってはセレナが快適に感じるだろう。全般的に見ればステップワゴンが高機能だが、個別に見ていくとセレナを選ぶ余地もある。
今のミニバンは、ステップワゴン/セレナ/ヴォクシー&ノアに集約されて熾烈な販売競争を展開している。だから後発の車種ほど高機能で買い得になっていく。
となればミニバンの人気車は、従来以上にステップワゴンとそのライバル車に特化されそうだ。セレナのフルモデルチェンジ、ヴォクシー&ノアのマイナーチェンジで、ミドルサイズミニバンは再び新たな展開を見せるに違いない。

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