
新型セレナがまもなく発売!
日産 新型セレナは2016年8月24日に正式発表/発売される予定だが、販売店では7月20日から価格を明らかにして受注を開始している。
日産に限らず、最近はどのメーカーも正式発表に先立って受注を始めるようになった。
理由は3つある。一つ目は予め受注を始めれば、売れ筋のグレードやオプションの内容が早期に分かることだ。メーカーとしては、予想がハズれて装備やシート生地などの発注を誤るのを防げる。
2つ目は、生産開始と同時にスムーズに納車を始められること。注文を溜めておくから、さまざまな段取りが容易になる。3つ目は「発売後1ヶ月後の受注が2万台」などと人気ぶりを誇示できることだ。
その代わり、注文を入れて納車までの期間が長引き、顧客はむやみに待たされる。今はメーカー都合が優先され、一事が万事に通じるから、国内の売れ行きが伸び悩むのも当然だ。
ユーザーにとって辛いのは、発表前に実車を見ないで不安を感じながら契約するか、納期の遅延を覚悟で試乗などを行って契約するか、という二者択一を迫られることだ。
注目のプロパイロットは、やはり購入前に試乗したいところだが・・・
特に新型セレナでは、プロパイロットと呼ばれる運転支援の機能が注目される。TVのCMでも7月中旬から「自動運転技術」として宣伝しており(正確には「自動運転の技術を使った運転支援の機能」だが)、ユーザーの関心が高い。
セレナの有力なセールスポイントだから、ユーザーも「プロパイロットを試してから買いたい」と考えるだろう。
そこで試乗車がディーラーに届くのを待って発表後の8月下旬に試乗を行い、納得した上で契約すると長い順番待ちの最後に並ばせられる。
最近の新型車はセレナに限らず、先進のメカニズムとか、運転感覚の向上を訴えることが多い。だとすれば、しっかりと試乗できる環境を整えて受注を開始すべきだ。
いづれにしても、新型セレナは今もユーザーからの受注が着々と増えて続けているはずなので、もし購入を希望するなら早めに情報を集めて準備をしておきたいところだろう。
そこで今回、ライバル比較として「日産 セレナ vs ホンダ ステップワゴン」を取り上げたい。

視界も同等だ。新型セレナはインパネの上端を少し下げたり、フロントピラー(天井を支える柱)を細くするなど前方視界を改善したが、ステップワゴンも周囲は見やすい。
サイドウインドーの下端を低く抑え、左側面の死角を抑えるデザインにしたことも両車に共通する。
ドアを開くと、床の位置は両車でかなり異なる。ステップワゴンは2005年に発売された2世代前の3代目から、フラットフロア構造と低床設計を両立させ、床面地上高はスライドドアの部分で約390mmとした。
新型セレナは先代型とプラットフォームを共通化して、床の位置にも変更はないから、ステップワゴンよりも約70mm高い。新型セレナはサイドステップと呼ばれる小さな階段を介して乗り降りする形になるので、乗降性はステップワゴンが勝る。
床が低ければ、乗降性が良いだけでなく、低重心になって走行安定性が向上し、左右に振られにくいから乗り心地も快適にしやすい。そのために、ステップワゴンだけでなくトヨタのヴォクシー&ノアも現行型では床を85mm下げた。
新型セレナは低床設計を見逃した点でライバル車に見劣りしてしまう。
インパネ比較/新型セレナ vs ステップワゴン
インパネのレイアウトは両車とも似ている。
メーターは上端の奥まった位置に装着され、視線と目の焦点移動を抑えた。質感は新型セレナが樹脂製パネルにステッチ風の処理を施して革張りの雰囲気を演出する。
ステップワゴンは光沢のあるブラックのパネルを使う。新型セレナが少し上質だが、さほど差はなく好みの範囲に収まる。

シートアレンジ比較/新型セレナ vs ステップワゴン
シートアレンジは従来型からセレナが多彩だ。2列目の中央を1列目の間までスライドさせると、収納設備として使えて、2列目の間には空間ができるから車内の移動がしやすい。
また2列目には横方向のスライド機能が付き、中央に寄せるとスライドドア付近の間口を広く取れる。さらに中央に寄せた状態で後方にスライドさせると、足元空間が大幅に広がる。さらに前述のように3列目にもスライド機能を用意したので、乗員の数や荷物の量に応じてシートの配置を工夫しやすい。ステップワゴンよりも多彩なアレンジを可能にした。
逆にステップワゴンのメリットは、3列目が床下格納になることだ。
格納状態ではスッキリと広い荷室に変更できるから、自転車などの大きな荷物を積みやすい。セレナは低い位置で畳めるが、3列目が荷室に張り出す。

ステップワゴンもホンダセンシングを装着すれば、ミリ波レーダーと単眼カメラが備わり、車間距離を自動調節しながら追従走行することが可能だ。LKAS(車線維持支援システム)も備わり、セレナのプロパイロットほど積極的ではないが、車線の中央を走れるようにハンドルの操舵支援を行う。
ただし新型セレナと違ってクルーズコントロールに全車速追従の機能がないから、先行車が減速して時速25km未満になると作動が自動解除される。
この時はブザーとメーター内部の表示でドライバーに告知するが、運転支援の機能はセレナが先進的だ。
安全装備は、両車とも緊急自動ブレーキを採用する。先行車両に対する追突防止の緊急自動ブレーキは、新型セレナは従来型と同じく時速80kmが上限だが、ステップワゴンは時速100kmまで検知する。
このほか新型セレナでは、インテリジェントキーを携帯して車両に近づき、足を電動スライドドアの下側に出し入れすると、自動的に開閉できる機能も採用する。両手で子供を抱えていたり、荷物を持っている時に便利だ。
総評/新型セレナ vs ステップワゴン
このように見てくると、セレナがプロパイロットの採用、3列目シートの改善、リアゲートの機能向上などによって優位に立つ。設計が新しいために、先進技術を身に付けている。
ただし見方を変えると、プロパイロットやリアゲートの機能向上は付加価値ともいえる。
「大勢乗せてたくさん積む」というミニバン本来の機能では、ステップワゴンに採用された3列目の床下格納のメリットも決して小さくはない。
横開きのサブドアを組み込んだリアゲートもユニークだ。
またステップワゴンは低床設計だから、乗降性が優れ、低重心というクルマの基本性能で有利な面もある。装備を中心にセレナの魅力は強いが、走りを中心に見ると、旧態依然のミニバンスタイルともいえるだろう。
一般的な選択は新型のセレナだが、腰高な運転感覚を嫌うクルマ好きには、ステップワゴンを選ぶ余地もあるだろう。



































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