トヨタ プリウス vs 日産 リーフ どっちが買い!?徹底比較

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ どっちが買い!?徹底比較

生まれ変わってより魅力が増した「プリウス」と「リーフ」の2台を徹底比較!

日産 リーフ(2015年マイナーチェンジ)トヨタ 新型プリウス
加速性能や居住空間の広さには、「この水準に達すれば十分」という一種の限度がある。
しかし環境&燃費性能と安全性は、求められる限界がきわめて高い。環境&燃費性能については、給油や充電を行わずに太陽光で走れる「ソーラーカー」が究極の姿だろう。
安全性も交通事故を皆無にできるまで進化を続ける。そして今日の車両開発は、低燃費と安全に集約されるようになった。クルマという商品が進化して熟成段階に入り、今後の進むべき方向が明確になったともいえるだろう。
その意味で注目されるのが、2015年11月に実施された「日産 リーフ」のマイナーチェンジと、12月に行われた「トヨタ プリウス」のフルモデルチェンジだ。両車ともに環境性能を追求した時代の最先端を走るクルマで、先ごろのモデルチェンジでは安全装備も充実させた。今回はこの2車種を比べてみたい。

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ/エクステリア比較

トヨタ 新型プリウス日産 リーフ(2015年マイナーチェンジ)
ボディは両車とも3ナンバーサイズの5ドアハッチバックになる。
全長はプリウスが4,540mm、リーフは4,445mmだから95mm短い。全幅はプリウスが1,760mm、リーフは1,770mmでわずか10mmワイドだ。全高はプリウスが1,470mmで、リーフは立体駐車場を使えるギリギリの1,550mmだから80mm上まわるが、大きさは同程度と考えて良いだろう。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は両車とも2,700mmで等しい。
なのでプリウスは前後輪からボディが前後に張り出した部分が、リーフよりも長くなった。
外観は両車とも燃費の向上をねらって空力特性を重視している。斜め後方の視界はあまり良くないが、Cd値(空気抵抗係数)はプリウスが0.24、リーフが0.28とされ、優れた性能を達成した。

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ/インテリア比較

内装は、プリウスが新型になってインパネ周辺の質感を向上させた。A以上のグレードに装着されるフロントコンソールトレイのホワイト加飾は、内装色がブラックだとコントラストが強すぎるが、先代型の樹脂素材を意識させる違和感は薄れた。
リーフは2010年12月の登場時点から基本デザインを変更していないが、モーターの出力と回生による充電を示すパワーメーター、リチウムイオン電池の残量計などは見やすい。
前席の座り心地は両車ともに快適。シートのサイズに余裕を持たせて腰の支え方も適度だ。
後席は両車とも腰が少し落ち込む座り方。プリウスは全高が1,470mmと低めで、天井を後方に向けて下降させたためだ。リーフは天井は高いが、床下に駆動用リチウムイオン電池などが配置され、床が少し高く設定される。そのために床と座面の間隔が若干不足した。
とはいえ大人4名の乗車を妨げる心配はなく、ファミリーカーとして使える居住性を備える。ボディの後部にはリアゲートが備わり、荷物の収納もしやすい。
トヨタ 新型プリウストヨタ 新型プリウストヨタ 新型プリウストヨタ 新型プリウストヨタ 新型プリウス
日産 リーフ インパネ日産 リーフ ステアリング日産 リーフ フロントシート日産 リーフ リアシート日産 リーフ ラゲッジルーム
トヨタ プリウス vs 日産 リーフ どっちが買い!?徹底比較

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ/動力性能比較

トヨタ 新型プリウストヨタ 新型プリウス
次は動力性能を比べたい。
プリウスは直列4気筒の1.8リッターエンジンをベースにしたハイブリッドを搭載する。トヨタのハイブリッド車とあってモーターの駆動力が高く、駆動用電池が充電された状態であればエンジンを始動させずに発進する。
通常の加速なら時速30~40kmに達したところでエンジンが始動するが、新型では遮音性も向上したから、急にノイズが高まる違和感はない。登坂路での加速など、エンジン回転が上昇するとノイズも相応に響き、この時の動力性能は2リッタークラスだ。
しかし負荷が軽い状態なら静かで、アクセルペダルを少し踏み増した時などは、前述のモーターが素早く駆動力を高める。そのために巡航中の運転では、動力性能が2.4リッタークラスに感じられることも多い。
日産 リーフ 走行イメージ
以上のようなプリウスの良さはモーター駆動によるところが大きく、これを満喫できるのがエンジンを搭載せずにモーターのみで走る電気自動車のリーフだ。
モーターのみの駆動だから、当然ではあるがノイズはきわめて小さい。発進時に高周波を感じることもあるが、時速40km程度に達すれば、タイヤが路上を転がる音なども高まって目立たなくなる。
このモーターの特性をエンジンに当てはめれば、実用回転域の駆動力が高いクリーンディーゼルターボに似ている。アクセルペダルを踏み増すと、即座に高い駆動力が立ち上がり、ドライバーが意図した通りの加速力が得られる。通常の走行をガソリンエンジン車の排気量に置き換えれば、2.5リッタークラスだろう。
無音に近い状態で速度を高めるリーフの運転感覚は、ハイブリッドとは大きく異なり、独特の上質感が伴う。電気自動車は環境性能に重点を置いたクルマとされるが、従来のエンジンでは味わえない走りの楽しさもある。

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ/走行安定性・乗り心地比較

トヨタ 新型プリウストヨタ 新型プリウス
走行安定性と乗り心地のバランスは、プリウスが新型になって大きく進化した。
先代型は後輪の接地性は相応に確保したが、少し速度を高めると、曲がりにくさが感じられて旋回軌跡を拡大させやすかった。路面の状態も分かりにくく、ハンドルを切り始めた時の反応も少々曖昧だ。経済性は高いが、運転を楽しむことはあまり考慮されていない印象を受けた。また、曲がりにくいと安全面でも好ましくない。乗り心地も路面状況によって粗さを感じた。
新型では、この不満が大幅に解消されている。プラットフォームを刷新してボディ剛性を高め、リアサスペンションは車軸式のトーションビームから独立式のダブルウイッシュボーンに変更された。
独立式なら何でも良いわけではないが、従来の曲がりにくさ、操舵感の曖昧さは払拭されている。特にスポーティだったり、走りが上質と表現できるほどではないが、もはや運転して退屈に感じることはない。
この進化は基本性能が向上した結果でもあるから、乗り心地の粗さも改善された。サスペンションが正確に伸縮するから、乗り心地がしなやかに感じる。
走行安定性と乗り心地の両立は、輸入車まで含めて今日の新型車に見られる進化の方向性で、新型プリウスもこの流れに沿っている。
日産 リーフ 走行イメージ日産 リーフ リチウムイオン電池搭載イメージ
一方、電気自動車のリーフは、構造的にも走行安定性と乗り心地を両立させる上で有利なクルマだ。
重いリチウムイオン電池を床下の低い位置に搭載し、しかも前後輪の中央部分に当たる。なので旋回時に慣性の影響を受けにくい。またバッテリーの搭載部分はフレーム構造を備え、プラットフォームに強固に結合したから、結果的にボディ下まわりの剛性も向上した。
つまり重い駆動用電池を搭載するためにボディ剛性が高まり、走行安定性と乗り心地の向上に結び付けている。
特にリーフの走行安定性で注目されるのは、下り坂のカーブを曲がりながら、危険回避などのためにブレーキを踏んだ時だ。一般的にクルマの重量配分は前輪側に偏り、下りコーナーの制動となれば、さらに前側が重くなる。後輪側の接地性が薄れ、進行方向が不安定になりやすい。
それがリーフであれば、ボディの中央(正確には少し後ろ寄り)に駆動用電池が搭載され、下りコーナーの制動でも後輪の接地性が保たれる。一般的なコーナリングや車線変更でも、優れた走行安定性を実感できるから、ドライバーの安心感も高い。ボディの補強と相まって、乗り心地も重厚感が伴って上質だ。
トヨタ プリウス vs 日産 リーフ どっちが買い!?徹底比較

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ/安全装備比較

トヨタ 新型プリウス日産 リーフ(2015年マイナーチェンジ)
装備については、安全面の進化に注目したい。
プリウスはToyota Safety SenseP(トヨタセーフティセンスP)をSとEにメーカーオプション、A以上のグレードには標準装着した。ミリ波レーダーと単眼カメラを使うことで、緊急自動ブレーキを高速域でも作動させて歩行者も検知する。車間距離を自動制御できる全車速追従機能付きのクルーズコントロールも採用した。
対するリーフもエマージェンシーブレーキを全車に標準装着。
単眼カメラを使って時速80kmを上限に、緊急自動ブレーキを作動させる。カメラ方式だから歩行者にも対応しており、車線逸脱の警報を発することも可能だ。

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ/燃費・航続距離比較

トヨタ 新型プリウス日産 リーフ(2015年マイナーチェンジ)
JC08モード燃費については、フルモデルチェンジとあってプリウスが数値を向上させた。
従来型は売れ筋のSやGが「30.4km/L」、軽量化などによって燃費向上に重点を置いたLが「32.6km/L」であった。 これが新型では売れ筋のSやAが「37.2km/L」(4WDは「34km/L」)、最も価格の安い燃費性能に重点を置いたEが「40.8km/L」になる。
売れ筋グレードで見た場合、新型プリウスの燃費向上率は先代型の114%に達し、数値上は燃料代を約12%節約できる。1.5リッターエンジンをベースにしたコンパクトなトヨタアクアのJC08モード燃費が「37km/L」だから、プリウスはミドルサイズでありながら効率が高い。
一方、リーフも先ごろのマイナーチェンジでリチウムイオン電池を進化させている。
電気自動車は以前から航続可能距離の短さが指摘されていたが、リーフは駆動用リチウムイオン電池を2種類に充実させた。従来から設定されている総電力量が24kWhの仕様に加えて30kWhも設けた。
1回の充電で走れる距離は、JC08モード走行で24kWhが「228km」、30kWhでは「280km」まで伸びる。後者であれば行動半径を大幅に広げることが可能だ。
30kWhの価格は24kWhに比べて39万4200円高いが、経済産業省による補助金(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金)が、24kWhは27万円で30kWhは51万円に増える。
従って39万4,200円の価格上昇の内、24万円は補助金の差額で取り戻せる。実質的な負担増加は15万4200円だ。となれば30kWhは魅力的だと思う。

トヨタ プリウス vs 日産 リーフ/価格比較

トヨタ 新型プリウス
車両価格も比べよう。
プリウスで売れ筋になる2WDの「S」は、実用装備を装着しながらニッケル水素電池の採用でコストダウンを図って「247万9,091円」だ。これに緊急自動ブレーキを作動できるToyota Safety Sense P(8万6,400円)、ナビレディセット(3万2,400円)、カーナビ本体(ディーラーオプションで25万円前後)を加えると、合計で約285万円になる。
一方、リーフで売れ筋のグレードには緊急自動ブレーキを作動できるエマージェンシーブレーキ、EV専用のカーナビが標準装着されて、「X(24kWh)」の価格は「325万4,040円」だ。ここから27万円の補助金を差し引くと約「298万円」になる。
航続可能距離の長い「X(30kWh)」は「364万8,240円」で同じく51万円の補助金を差し引くと約「313万円」だ。
リーフのXやGは装備を充実させて、なおかつ補助金の交付も受けられるから、特にX(24kWh)の場合、プリウスSとの実質価格差は13万円程度に収まる。
日産 リーフ 充電イメージ
なお、充電インフラもリーフが発売された2010年に比べると充実してきた。
2015年8月現在で、急速充電器は全国に約6,000基(この内の1,700基は日産の販売店に備わる)、普通充電器は約9,000基が設置されている。
日産の販売店では急速充電器を昼夜を問わずに使える店舗も多いから、今では自宅に充電設備を持ちにくい集合住宅に住んでいても、リーフを所有しやすくなった。
プリウスは安全装備を充実させて燃費性能を向上させた。
そしてリーフも、安全装備が進化してリチウムイオン電池には航続可能距離が長い30kWhを設定している。加えて充電インフラも充実してきた。
ハイブリッドの代表たるプリウスと、エコカーの最先端を走るリーフが、さらに魅力を増して選びやすくなった。

コメント