
日本車は、栄枯盛衰が激しい。
2013年、軽自動車が史上最多の211万台を販売し、新車市場に占める販売比率は約40%に至った。だが、その裏で販売台数が激減したジャンルがある。
ステーションワゴンだ。ここ数年間、ステーションワゴンの販売台数は大幅に減ってしまった。かつてワゴンは北米市場で好調な販売を記録したものの、今の売れ筋はミニバンを経てSUVへと移りつつある。
日本では1990年代の初頭に初代レガシィツーリングワゴンなどが好調に売れたが、90年代の中盤からミニバンが増え始めると、短期間で売れ行きを落とした。そして、今の日本車におけるワゴンのラインナップは10車にも満たないのが現状だ。
メーカーは流行に敏感で、売れ行きが下がり始めると品揃えも一気に減る。車両開発には莫大な費用が必要な為に失敗は許されないといえども、この傾向が極端だと欲しいジャンルのクルマがあってもラインナップから消滅していて買えない、ということが生じてしまう。
特にワゴンは、大人4名が快適に乗車できる居住性を備えており、荷室も使いやすい。車内はミニバンほど広くないが、実用性は十分。車高が低く、走行安定性に優れたワゴンを求めるユーザーは少なくない。
人気車種のレヴォーグ購入は予め計画を立てるのがベスト
そして今、スバルの新型ワゴン「レヴォーグ」が大いに注目を集めている。スバルといえば「レガシィ」が思い浮かぶが、次期レガシィはボディをさらに拡大。これまでよりさらに海外指向が強められており、日本国内では使いにくいクルマとなってしまう。
そこでスバルは、「レヴォーグ」をレガシィツーリングワゴンの後継車種と位置付けた。そのため、次期レガシィの国内仕様にはツーリングワゴンが設定されず、セダンの「B4」とSUVの「アウトバック」のみとなる予定だ。
ツーリングワゴンのないレガシィは“アンコの入っていない饅頭”みたいなもので、インパクトが弱くなることは明白だ。だからこそ「レヴォーグ」は、力の入った開発が行われている。
レヴォーグで気になることと言えば、2014年1月に受注を開始しながらも、正式な発表は「4月」であること。さらに、生産開始は2リッターターボが「5月」で、1.6リッターターボは「6月」になることだ。
当然、納期も遅れて3月上旬の契約では納車は7~8月になる模様である。試乗してから契約するのであれば、納車は年末になってしまう可能性も高い。
最近は各メーカーともに、発表や生産の立ち上がりに対して、受注の開始時期を大幅に早める傾向がある。先に膨大な受注を抱えれば当分は安泰で、生産を開始すれば迅速に納車できるからだ。
さらに、受注段階で売れ筋のグレードや人気の装備も把握できるため、生産計画も立てやすい。
メーカーやディーラーのメリットは大きいが、納期が遅れると困ってしまうのはユーザーだ。特に4月からは新年度となるため、遠方の海外の勤務先を命じられる方も居られるだろう。しかし、そこを懸念して契約を4~5月にすれば、長い順番待ちの最後に並ぶことになるので、購入計画は予め立てておきたいところである。
今回、レヴォーグのライバル車として、マツダ アテンザワゴンと比較してみよう。
レヴォーグの詳細は2014年1月7日に掲載した「スバル レヴォーグ新型車解説」を読んでいただくとして、ここではアテンザワゴンとの優劣を考えたい。

【スバル レヴォーグ vs マツダ アテンザワゴン 装備対決】
レヴォーグとアテンザワゴンの比較グレードだが、レヴォーグは注目の2リッター300psモデル「2.0GT アイサイト」、アテンザワゴンはクリーンディーゼルの「XD」で比較してみよう。
まずは「レヴォーグ 2.0GTアイサイト」(334万8,000円)と、「アテンザワゴン XD」に衝突回避の支援機能を含んだ安全装備をフル装着した仕様(324万7,560円/消費税は8%)との比較だ。
装備レベルはほぼ同等。レヴォーグには運転席と助手席の電動調節機能が備わり、アテンザワゴンにはディスチャージヘッドランプが装着される。
動力性能は、レヴォーグ 2.0GTアイサイトの最高出力が「300ps」(5,600rpm)、最大トルクは「40.8kg-m」(2,000~4,800rpm)。アテンザワゴン XDは、最高出力「175ps」(4,500rpm)最大トルク「42.8kg-m」(2,000rpm)だ。
最高出力はレヴォーグ 2.0GTアイサイトが125ps勝るが、最大トルクはアテンザワゴン XDが2kg-m上まわっている。
単純な動力性能を競えば、レヴォーグ2.0GTアイサイトに軍配が上がる。
レヴォーグには筆者はすでに試乗しているが、レヴォーグが搭載する2リッターのDITには、レガシィの同型エンジンに比べると3,000rpm付近から急激な速度の上昇が抑えられている。扱いやすくなり、4リッタークラスのノーマルエンジンに近い感覚で加速できる。
一方、アテンザワゴンXDは、ディーゼルらしく低回転域から発生する強大なトルクが魅力。このあたりは好みの違いだが、実用回転域で高い駆動力を発揮するアテンザワゴンXDに魅力を感じるユーザーも多いだろう。
【スバル レヴォーグ vs マツダ アテンザワゴン 燃費対決】
そして燃費は、レヴォーグ 2.0GTアイサイトが「13.2km/L」で、アテンザワゴン XDは「20km/L」(※ いづれもJC08モード燃費)。使用燃料は、レヴォーグ 2.0GT アイサイトが「プレミアムガソリン」、アテンザワゴン XDはクリーンディーゼルターボだからもちろん「軽油」だ。
となれば実用燃費で計算して、1km当たりの走行コストはレヴォーグ 2.0GTアイサイトが「15.2円」、アテンザワゴン XDは「8.2円」。1万km走ったと仮定すると、レヴォーグ 2.0GTアイサイトが「15万2000円」、アテンザワゴン XDが「8万2,000円」の差額となり、結果、燃料代はアテンザワゴン XDが約半分で済むことになる。
この走行コストの違いを考えると、走行距離の伸びるユーザーには、やはりアテンザ XDを推奨したい。
一方、「レヴォーグ 1.6GT-S アイサイト」(305万6,400円)と、「アテンザワゴン 25S Lパッケージ」(308万2,400円/消費税は8%)を比較するとどうだろうか。
まず、価格と装備については共に互角だ。動力性能は「レヴォーグ 1.6GT-S アイサイト」の最高出力が170ps(4,800~5,600rpm)、最大トルクは25.5kg-m(1,800~4,800rpm)。アテンザワゴン 25S Lパッケージは188ps(5,700rpm)/25.5kg-m(3,250rpm)と、こちらも数値上の大差はない。
運転感覚については、低回転で高い動力性能を発揮する「レヴォーグ 1.6GT-S アイサイト」が力強いが、エンジンの回転感覚はターボを用いない「アテンザワゴン 25S Lパッケージ」が自然な印象を受ける。この選択も、どちらが良いかはユーザーの好みによって分かれるところだろう。
燃費は、レヴォーグ 1.6GT-S アイサイト、アテンザワゴン 25S Lパッケージともに「16km/L」。
価格、動力性能、燃費など「レヴォーグ 1.6GT-S アイサイト」と「アテンザワゴン 25S Lパッケージ」の2台には共通点が多い。
さらに、走行安定性やハンドリングの傾向も、実は両車ともに良く似ているのだ。どちらも、後輪の安定性を十分に確保しつつ、自然に曲がる印象に仕上げられている。
今は日本車、輸入車を問わず同様の傾向にあるので当然ともいえるが、設計の新しいクルマに乗るメリットを実感させてくれる。
その上で違いを述べるとすれば、レヴォーグには“軽快感”が伴い“運転の楽しさ”を感じさせる。そしてアテンザワゴンはレヴォーグほど軽快ではないが、1,840mmに達する全幅によって直進時に“安心感”の高さが特筆出来る。
強いていえば、レヴォーグの方がスポーティであり、クルマ好きには適するだろう。
この性格の違いは、売れ筋になるエンジンともマッチしている。アテンザワゴンは直進安定性に優れた高速道路向けのクルマとあって、実用回転域の駆動力が高い「クリーンディーゼルターボ」がピッタリ。レヴォーグは1.6リッターのターボが主力だけに、少しコンパクトなサイズを生かした機敏な走りが楽しい。

【スバル レヴォーグ vs マツダ アテンザワゴン インテリア対決】
次は、内装をチェックしてみよう。
インパネなどの質感は両車とも満足できる。その上で比べると、レヴォーグの方が光沢のあるパネルなどの使い方が巧みで少し上質だ。それでも、大きな差はない。
フロントシートの座り心地も似ていて、両車とも日本車としては少し硬め。肩まわりのサポート性にも気を使っており、スポーティなドライブでも姿勢が乱されにくい。
リアシートは、両車とも腰が少し落ち込むタイプ。座面は、レヴォーグが若干だが柔軟に仕上げられている。身長170cmの大人4名が乗車した時、リアシートに座る乗員の膝先空間は、レヴォーグが握りコブシ2つ半、アテンザワゴンは3つ弱で、アテンザワゴンの方が余裕を持って座れる。
全長は、レヴォーグが4,690mm、アテンザワゴンが4,800mmだから110mmの差がある。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)もレヴォーグ2,750mmに対してアテンザワゴンは2,650mmだから、リアシートはアテンザワゴンが格段に広くなりそうだが、実際には大差がない。このあたりはレヴォーグ(というよりもベースになったインプレッサ)が空間効率に気を使ったためだろう。
以上、買い物から長距離の移動まで様々な使い方に用いるなら、取りまわし性に優れたレヴォーグの1.6リッターを推奨したい。レガシィツーリングワゴンの後継車種とすべく日本向けに開発され、峠道などを含めた道路条件に合っている。
そして、長距離ドライブが中心でワイドなボディが気にならないなら、動力性能が優れ、なおかつ燃費性能が優秀なアテンザワゴンのクリーンディーゼルターボがピッタリだ。
レヴォーグがガソリンターボ、アテンザがクリーンディーゼルターボというエンジンの違いをベースに判断すると、自分にピッタリの選択がしやすいと思う。




















![マツダ 新型 アテンザ ワゴン XD(クロスディー) L Package[SKYACTIV-D(クリーンディーゼルモデル)] ボディカラー:ブルーリフレックスマイカ](https://a248.e.akamai.net/autoc-one.jp/image/images/1687364/038_l.jpg)












コメント
コメントを投稿