【比較】スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー どっちが買い!?徹底比較

【比較】スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー どっちが買い!?徹底比較

圧倒的な人気で大ヒットとなった「スズキ ハスラー」!

スズキ「 ハスラー 」
“メーカーも驚く”ほどの人気を得た「スズキ ハスラー」。
ハスラーの背の高いボディは空間効率に優れ、4名で乗車しても快適だ。リアシートを畳めば広い荷室に変更できる。今の軽自動車の販売状況を見ると、背の高い車種が70%以上を占めるが、ハスラーはこの特徴を身に付けながらも外観をSUV風に格好良く仕上げた。
今の時代に人気を高めたことはメーカーにとって朗報だが、実はハスラーを買いたいユーザーに「困った事態」が生じている。
人気の高さゆえに生産が追い付かず、注文してから納車されるまでの期間が長引いているのだ。
スズキ「 ハスラー 」エクステリア
ディーラーによれば、「ボディカラーがモノトーンでも6ヶ月、ボディの下側と天井の色が異なる人気の2トーンカラーの納期は8ヶ月になりそうだ」これでは、納車前に愛車の車検が切れるユーザーも出てきてしまう。
そこで、販売会社によってはハスラーが納車されるまでの期間限定で、低価格の「カーリース」を設けた。ワゴンRやMRワゴンなどの新車を「リース車両」として卸し、納車を待つユーザーに貸与する仕組みだ。
クルマは趣味の対象であると同時に、日常の移動手段でもある。だからこそ、納期が長びけば様々な問題を引き起こす。
最近は各メーカーとも生産と販売を効率化する目的で、いわゆる“予約受注”を行うようになった。事前に受注しておけば、メーカー側は売れ筋グレードの動向などが予め分かるので生産計画を立てやすいが、納期は著しく遅延する。試乗してから購入の判断をすれば、ハスラーのような半年待ちになることも珍しくない。以前と同じように、受注の前倒しなどをしなくともメーカー側で需要動向を正確に見極めて欲しい。
これは、メーカーの関心が海外市場に向いたこともあって、国内市場への洞察力が弱まったとも言える。

スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー -エクステリア対決-

ハスラーに話を戻そう。納期の遅延に困って、別のスズキ車を検討するユーザーもおられるのではないか。
そこで今回のどっちが買い!?は「スズキ ハスラー」と、同じくスズキ車の「ワゴンRスティングレー」を比べてみよう。スズキ車同士を比べることで、ハスラーの特徴を明確にする意図もある。
スズキ「 ハスラー 」サイドエクステリアスズキ「ワゴンR スティングレー」サイドエクステリア
まずは「ハスラー」と「ワゴンR」の関係だが、内外装のデザインと最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は異なるものの、ハスラーとワゴンRは基本的には「同じクルマ」と考えて良い。エンジンやプラットフォームは共通。ホイールベースの数値も等しい。そのために前後のシート間隔、床と着座位置の間隔、シートのサイズなども共通化されている。シートアレンジも同じだ。
表現を変えれば、ハスラーはワゴンRと同等の実用性を備えている、ということ。その上でボディサイズを比べると、全長と全幅、ホイールベースは同じで、全高はハスラーが1,665mm、ワゴンRスティングレーが1,660mm。この差も5mmだからほぼ等しいと言える。
最低地上高については、ハスラーが180mmでワゴンRは150mm(2WDの場合)。ハスラーは“クロスオーバー”なだけあって30mmほど車高が高められている。
スズキ「 ハスラー 」フロントエクステリアスズキ「 ハスラー 」ヘッドライト(点灯)スズキ「ワゴンR スティングレー」フロントエクステリアスズキ「ワゴンR スティングレー」フロントマスク
ボディスタイルは、ハスラーとワゴンRではかなり異なる。
ハスラーはヘッドランプが丸型で、バンパーは部分的にシルバーに塗装した。フェンダーもボリューム感のあるデザインだ。ボディ前後の下側には、樹脂製のアンダーガード風のパーツも備わる。
ボディサイズが厳しく制限されている軽自動車においては、ハスラーの外観はかなり凝っていて、野生味と可愛らしさが同居したスタイリングだ。ハスラーが人気を得た一番の理由も、この外観にあるのだろう。
一方、ワゴンRスティングレーは、エアロパーツを備えた典型的な軽自動車デザインだ。ベースのワゴンRとはフロントフェイスに大きな違いがみられ、ヘッドランプが横長タイプのものとなっており、中央にはスケルトンのグリルが備わる。下側のラジエターグリルはバンパーまで含めて黒で塗装され、睨みを利かせている。
長らく軽トールワゴンが売れ筋となっていた軽自動車市場では、デザインの方向性は標準ボディの「実用バージョン」とワゴンRスティングレーのような「エアロバージョン」という、ある意味単調なラインナップが続いていた。
販売は好調でもクルマのデザイン面では行き詰まっていたものの、そこにエクステリアが魅力的なハスラーが登場したことで大ヒットとなった。要は、タイミングも奏効したわけだ。
【比較】スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー どっちが買い!?徹底比較

スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー -インテリア対決-

スズキ「 ハスラー 」インテリア・インパネスズキ「ワゴンR スティングレー」インテリア・インパネ
インテリアについて、まずハスラーとワゴンRスティングレーでは視界が異なる。
サイドウィンドウの下端はワゴンRの方が低めで、側方・後方ともにハスラーよりもワゴンRスティングレーの方が見やすい。ハスラーはデザインに重点を置いているためだ。もっともハスラーにも視界のメリットはあり、ボンネットの手前が少し視野に入る。車幅やボディの先端位置が分かりやすいのだ。
内装については外観と同様に、インパネの雰囲気からかなり違っている。
ATレバーとエアコンスイッチが並ぶ配置は同じだが、ハスラーはインパネの上部にオレンジやホワイトのパネルを装着。表面は滑らかな仕上がりで、デカールなどを貼ることもできる。そしてパネルの間にエアコンの吹き出し口が割り込み、シルバーのパイプで繋いだような形状に見せている。このあたりは上手に仕上げた。
一方、ワゴンRスティングレーのインパネはブラックで、表面にもシボ(模様)が入る。質感が重視されており、軽のエアロモデルの王道デザインだ。
スズキ「 ハスラー 」インテリア・フロントシートスズキ「 ハスラー 」インテリア・リアシートスズキ「ワゴンR スティングレー」インテリア・フロントシート・スズキ「ワゴンR スティングレー」インテリア・リアシート
シートは、ハスラー、ワゴンRスティングレー共に基本的には共通だ。
座り心地の良いフロントシートと、多彩なシートアレンジを可能にしながらもボリューム感を持たせているリアシートは床と座面の間隔も十分に確保されている。ハスラー、ワゴンRスティングレーのどちらも快適な車内空間が提供されている
また、ハスラーはワゴンRよりも最低地上高が高いが、全高は5mmしか違わない。そのためにリアシートの頭上空間はハスラーのほうが15~20mmほど低い。フロントシートの頭上空間は、ワゴンRがルーフラインを前方に向けて傾斜させているから、両車とも同程度だ。
収納設備については、ハスラーでは助手席の前にある収納ボックスのフタを小さなテーブルとしても使える。助手席もバックレストが水平になるまで前に倒れ、背面が少し大きなテーブルになる。こういった機能には、ハスラーの新しさを感じる。

スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー -動力性能対決-

スズキ「 ハスラー 」走行イメージ1スズキ「ワゴンR スティングレー」走行イメージ1
エンジン性能の数値はハスラー、ワゴンRスティングレー共に同じで、車両重量もハスラーのX/Xターボ、ワゴンRスティングレーのX/Tは同じである。タイヤサイズに若干の違いはあるが、動力性能はほぼ等しい。
トランスミッションは、ワゴンRスティングレーはすべてCVT(無段変速AT)だが、ハスラーのノーマルエンジン車では、ワゴンRの標準ボディと同じく「5速MT」が選択できる。
両車ともに平坦路であれば、ノーマルエンジンでも動力性能の不足は感じない。発進直後の加速は鈍めだが、時速25km付近に達すれば順調に速度を上昇させる。エンジンノイズは小さくないが、不満に感じるほどではないだろう。
JC08モード燃費は、2WDのCVT装着車で見ると、ハスラーのノーマルエンジンを積んだXが「29.2km/L」Xターボが「26.8km/L」だ。ワゴンRスティングレーはXが「30km/L」ターボTが「27km/L」になる。
スズキ「 ハスラー 」タイヤ・ホイールスズキ「ワゴンR スティングレー」タイヤ・ホイール
この差は主に、タイヤとボディスタイルの違いに基づく。
ハスラーのタイヤは全車が15インチ(165/60R15)で、試乗車はダンロップ・エナセーブEC300を履いていた。指定空気圧は250kPaだ。
対するワゴンRスティングレーは、ノーマルエンジンのXが14インチ(155/65R14)のダンロップ・エナセーブEC300で、指定空気圧は280kPaと高め。ターボのTは15インチ(165/55R15)のブリヂストン・エコピアEP150を履き、指定空気圧は240kPa。ワゴンRスティングレーXはタイヤの転がり抵抗を抑え、燃費数値を向上させた。
操舵に対する反応は、ハスラー、ワゴンRスティングレーのいづれも「背が高い割に切れが良い」。旋回軌跡も拡大させにくく、しっかりと回り込む。その分だけ後輪の接地性は相対的に下がるが、不安を感じるほどではない。ただ、ハスラーは高重心のために車両の挙動も若干腰高だ。
乗り心地は両車ともに少し硬いが、最近の燃費性能を重視した軽自動車の中では満足できる。その上で違いをいえば、ハスラーは上下に揺すられる印象があり、ターボの4WDが快適に感じた。足まわりとタイヤは同じ設定だが、車両重量の違いが影響している。
ワゴンRスティングレーは、ノーマルエンジンのXが指定空気圧を高めたものの、硬めながら重厚感が伴って快適に感じる。
【比較】スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー どっちが買い!?徹底比較

スズキ ハスラー vs スズキ ワゴンRスティングレー -装備・価格対決-

スズキ「 ハスラー 」フロントマスク
装備では、ハスラーの4WDに採用される「ヒルディセントコントロール」と「グリップコントロール」に注目したい。
ヒルディセントコントロールは、滑りやすい急な斜面を下る時、自動的にアクセルとブレーキを制御して、ペダル操作をしなくても時速約7kmでゆっくりと安定して走れる機能だ。グリップコントロールは、滑りやすい路面で駆動輪が空転すると、自動的にブレーキを作動させる。
いずれもスイッチで操作するが、横滑り防止装置などの応用技術のため、部品点数の違いはスイッチを設けた程度だ。価格も、ハスラーの4WDと2WDの価格差は12万6,360円と、安く4WD車を購入することが出来る。ハスラーは、外観のみならず、SUVとしての走破力を向上させている。
スズキ「 ハスラー 」走行イメージ2
このほかの装備では、ハスラーには時速30km以下で作動する自動ブレーキを伴った衝突回避の支援機能、横滑り防止装置などが標準装着されている(最廉価のAを除く)しかし、ワゴンRスティングレーも装着車が設けたので、安全装備の水準については大きな違いはない。
車両価格は、ハスラーXが140万8,320円、ワゴンRスティングレーX・レーダーブレーキサポート装着車は142万5,600円だ。(いづれも消費税8%)
ハスラーが1万7,280円と僅かながら安いうえに、運転席ヒーターやリアシート用のヒーターダクトが備わる。ワゴンRスティングレーのフロントマスクにLEDイルミネーションが付いたりすることを考えても、ハスラーが買い得だろう。
以上のようにハスラーは、内外装の個性だけでなく、悪路の走破力、荷室などの実用性、価格の割安感にも磨きをかけた。
今後も堅調に売れ続け、おそらく他メーカーも背の高い軽自動車にSUV風の新型車を加えるに違いない。1979年に登場した初代アルト、1993年の初代ワゴンRに続き、スズキは再び軽自動車の新たな流れを築くことになりそうだ。

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