
スズキ 新型スイフトスポーツと日産 ノートNISMO Sのプロフィール
スポーツモデル=MT車だったのは過去のハナシ。最近では、ギアチェンジはクルマに任せた方が変速スピードも速いし、ドライビングに集中できるからより良いタイムが狙えるというのも周知の事実。しかし、それでもクラッチペダルを踏んで自分で変速したい! という人も一定数以上存在するのもまた事実で、あのポルシェですら「911 GT3 ツーリングパッケージ」というMTオンリーのグレードを用意するほどなのだ。
そんな絶滅危惧種であるMT車。さすがにポルシェは簡単に買えないが、我々でも少し手を伸ばせば届きそうな国産ホットハッチにはまだMTを選ぶ事ができるクルマが残っている。
そこで今回は先日発表されたばかりのスズキ スイフトスポーツと、日産ワークスであるNISMOが手掛けたノート NISMO Sの2台を比較してみたい。
スイフトスポーツとしては世界的には3代目(日本仕様は4代目)となるが、それまでのNAエンジンからダウンサイジングターボとなる1.4リッターターボエンジンを初搭載し、組み合わされるミッションも専用の6速となりフロントを駆動する。
トレッドを稼ぐために、これまた初めて3ナンバー化されたワイドボディに専用エアロパーツを纏って、より一層スポーティなハッチバックに仕上がっている。
対するノート NISMO Sはノート史上初の本格的なスポーツグレードだ。日本仕様のベース車には存在しない1.6リッターエンジンと5速マニュアルトランスミッションを搭載し、リアブレーキもディスクに換装。専用エアロパーツや専用足回り、ボディ補強など、至る部分がベース車からアップデートされている。
なにより車検証に輝く「E12改」の文字がマニア心をくすぐる1台である。
スズキ 新型スイフトスポーツ vs. 日産 ノートNISMO S|価格・スペック比較
では早速2車の価格やスペックを比較していこう。どちらもモノグレード展開で、いくつかのメーカーオプションによって装備と車両価格が異なってくるといった状態だが、メーカーオプションの数も少ないため、それほど迷うこともないだろう。
スイフトスポーツはベース価格が1,836,000円、自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどの先進安全装備が付くセーフティパッケージを選ぶと86,400円高になり、さらに全方位モニター用カメラパッケージを選択すると、ベース車から144,720円高となる。
カメラパッケージを選ぶとハンズフリー用スイッチと6スピーカー(標準は2スピーカー)がセットとなるが、全方位モニターに対応しているのが、ディーラーオプションのパナソニックナビのみ(原稿執筆時点)となるため、他社のナビを検討している場合は注意が必要となる。
ノート NISMO Sはベース車が、2,328,480円で、選べるオプションは日産オリジナルナビ取付パッケージという、ステアリングスイッチ、GPSアンテナ、TVアンテナ、リア2スピーカー、ハーネスなどが一体となったものが27,000円で選べる。日産オリジナルナビと記載があるものの、スイフトと異なり社外のナビを選んでもほぼ対応できるため、ナビの装着を検討しているのであれば選んでおいて損はないだろう。
そしてもう一つのオプションがNISMO専用チューニングRECARO製スポーツシートだ。価格は270,000円と高額だが、ベースとなったRECAROのSportsterは1脚259,200円という高級モデル。さらに専用シートレールが必要になることを考えると、1脚の価格で2脚付いてくると言っても過言ではない(ただし、シートヒーター機能は省かれる)。
価格のみで比べてしまうとスイフトスポーツが圧倒的に買いやすい値段となっているが、ノート NISMO Sは何の変哲もないXグレード(1,502,280円)をベースにここまで仕上げているということを考えると、到底差額の826,200円でできる内容ではない。
そういった意味ではノート NISMO Sのコスパは優れていると言えるのではないだろうか?
勝者:ノート NISMO S
スズキ 新型スイフトスポーツ vs. 日産 ノートNISMO S|エンジン・動力性能比較
ホットハッチとして外すことができないのが走行性能だ。エンジンについては前項で解説したため、こちらでは主にハンドリングについてチェックしていきたい。
スイフトスポーツは3ナンバーに伴いサスペンションアームなどを延長し、ワイドトレッド化を実現。さらに先代に続きモンロー製のストラット&ショックアブソーバーを採用。さらに専用スタビライザーや強化された専用トーションビームなど、多くの専用部品を取り入れている。
もともと標準のスイフトのハンドリングも評価が高いが、それを一層上回る軽快なものとなっている。
ノート NISMO Sも専用サスペンションやスタビライザー径の大型化、フロントキャンバー角増加など、ベース車に対して大きく変更がなされている。しかし、ベースとなったノート自体がスポーティな味付けのクルマではないことや、ロングホイールベースであることが災いしてか、スイフトスポーツほどの軽快感は味わえなかった。
とはいえこれは「スイフトスポーツに比べて」という話で、単体で考えれば十分楽しめるハンドリングであったことを付け加えておく。
勝者:スイフトスポーツ
スズキ 新型スイフトスポーツ vs. 日産 ノートNISMO S|乗り心地比較
このクラスのホットハッチとなると、ワインディングやサーキットでスポーツ走行をするだけでなく、日常の足としても使われることが多い。
そのため、街乗りするのが辛いほどのハードな乗り心地はマイナスポイントとなるが、この点に関しては両車ともベース車に比べれば硬さは感じるものの、同乗者から大きなクレームが出るほどのものではないと言えそうだ。
ただ、どちらもタイヤが45扁平と薄いため、大きな入力があったときのタイヤでの吸収はあまり期待できない。
一方の後部座席の居住性については、ノート NISMO Sに圧倒的なアドバンテージがあった。これはノートの2600mmというロングホイールベースがその要因だが、この数値はスバル レヴォーグの2650mmに匹敵する数値であるといえば、どのくらいのものかお分かりいただけるだろうか。
もちろんスイフトスポーツも狭くて苦痛ということはないのだが、ノートに乗った後だと狭さを感じてしまう。
また、両車とも定員5名となっているが、どちらにしても後部座席に大人が3人乗るのはいささか窮屈と言わざるを得ない。
勝者:ノート NISMO S

新型スイフトスポーツ vs. 日産 ノートNISMO S|外装デザイン比較
デザインに関しては個人の主観が大きく影響するため、ここからの項目はそういう意見もあるんだなー、程度の気持ちでお読みいただければ幸いである。
スイフトスポーツに関してはベースのスイフトがすでにスポーティなデザインとなっているため、大きく変わった感は薄いが、フロント、サイド、リアに追加されたスポイラー類がブラックとなり、ボディを引き締めて見える効果が出ている。また、歴代スイフトスポーツと同様に、2本出しマフラーの出口を組み込んだリアアンダースポイラーは一目でスイフトスポーツと分かる意匠となっている。
なお、用意されるボディカラーはベースのスイフトRS系に用意される5色に、スイフトスポーツの代名詞とも言えるチャンピオンイエロー4を加えた全6色。
ノート NISMO Sは昨年12月のベース車のマイナーチェンジに合わせ、Vモーショングリルを持つデザインへとフロントマスクが変更されている。
しかし、基本的なエアロパーツのデザインは従来のものを踏襲していて、レースフィールドからのフィードバックによりダウンフォースを高めたものと言うように、他のNISMOシリーズと共通の赤の差し色が入ったアグレッシブな意匠。ただ、派手すぎるエアロパーツは気恥ずかしさを感じるユーザーもいるのではないだろうか。
ノートは豊富なボディカラーが魅力だが、NISMOになると、赤以外は全てモノトーンとなるのが残念だ。
勝者:スイフトスポーツ
スズキ 新型スイフトスポーツ vs. 日産 ノートNISMO S|内装デザイン比較
クルマを購入したら日常的に見ることになる内装。両車とも、ベース車の内装に赤の差し色を追加したデザインとなっている。そんなデザインはもちろんだが、使い勝手なども含めて両車を比較してみたい。
スイフトスポーツはメーターやインパネ、センターコンソールなどに赤色が配されているが、基本デザインはベース車と同じ。メーターのセンターにはカラー表示のマルチインフォメーションディスプレイが用意され、8インチナビがオプションで用意されるなど、さすが後発といったところが多い。
ノート NISMO Sもエアコン吹き出し口などに赤がワンポイントで使用されているが、スイフトスポーツとの違いは本革・アルカンターラ巻のステアリングや、スエード調シート(RECARO選択時はレザー・アルカンターラ)など、身体に触れる部分に凝った素材が使われているという部分。
しかし、2012年デビューという部分が災いし、カラーディスプレイや大型モニターナビ、USBソケットなどが装着できないのが辛いところ。
勝者:スイフトスポーツ
スズキ 新型スイフトスポーツ vs. 日産 ノートNISMO|どっちが買い!?
勝者:スイフトスポーツ
正直、友人に「スイフトスポーツとノート NISMO Sで迷ってるんだけど、どっちがいいかな?」と聞かれたら、迷わずスイフトスポーツと答えるだろう。やはり50万円もの価格差は如何ともしがたいし、先進安全装備が選べるというのも大きなアドバンテージとなる。
では、ノート NISMO Sがダメなクルマなのかというと、もちろんそんなことはない。冒頭にも書いた通り、何の変哲もないノートのガソリン車をベースにここまで仕上げているという点でのスペシャル感はスイフトスポーツの数段上だろう。
また、ノートNISMOシリーズにはスーパーチャージャーモデルの” X DIG-S”をベースにした「NISMO」(2,100,600円)や、話題のe-POWERをベースにした「e-POWER NISMO」(2,464,560円)も存在するため、ユーザーが求めるNISMOを選ぶことができるのだ。
スズキ 新型スイフトスポーツと日産 ノート NISMO Sの主要スペック
| スズキ 新型スイフトと日産ノートNISMOの比較 | ||
|---|---|---|
| 車名 | スズキ 新型スイフトスポーツ | 日産 ノートNISMO |
| 型式 | CBA-ZC33S | DBA-E12改 |
| トランスミッション | MT | MT |
| 価格 | 1,836,000円 | 2,328,480円 |
| JC08モード燃費 | 16.4km/L | ーー |
| 全長 | 3,890mm | 4,165mm |
| 全幅(車幅) | 1,735mm | 1,695mm |
| 全高(車高) | 1,500mm | 1,515mm |
| ホイールベース | 2,450mm | 2,600mm |
| 乗車定員 | 5名 | 5名 |
| 車両重量(車量) | 970kg | 1,080kg |
| エンジン | 水冷4サイクル直列4気筒直噴ターボ DOHC16バルプVVT | DOHC 水冷直列4気筒 |
| 排気量 | 1,317cc | 1,597cc |
| エンジン最大出力 | 103kW(140PS)/5,500rpm | 103kW(140PS)/6,400rpm |
| エンジン最大トルク | 230N・m(23.4kgf・m)/2,500-3,500rpm | 163N・m(16.6kgf・m)/4,800rpm |
| 燃料 | 無鉛プレミアムガソリン | 無鉛プレミアムガソリン |


























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