
「ダイハツ ウェイク」と人気の「ホンダ N-BOX」を比較!
実用性に優れたクルマが欲しいユーザーにとって、気になる新型車が「ダイハツ ウェイク」ではないだろうか。
ウェイクは今流行している背の高い軽自動車で、全高は1,835mmに達する。車内は広く、後席を畳めば自転車などの大きな荷物も積みやすい。背の高いボディにより、外観の存在感が強まったことも特徴だ。両側にスライドドアを装着して、乗降性も向上させた。
車両の詳細は2014年11月10日に掲載した「ダイハツ ウェイク 新型車解説」、同じ日付の「ダイハツ ウェイク 試乗レポート」で述べているので、今回はライバル車と比べてみたい。
ピックアップしたライバル車は「ホンダ N-BOX」だ。「スライドドアを装着した背の高い前輪駆動の軽乗用車」という条件に当てはめると、スズキ スペーシア、日産 デイズルークス&三菱 eKスペース、ウェイクと同じダイハツ車のタントなども該当するが、今回は他メーカー車で人気も高いことからN-BOXを取り上げたい。
似ているエクステリア、ウェイクとN-BOXの最も大きな違いは「全高」
ウェイクのボディサイズは、軽自動車とあって全長の3,395mm、全幅の1,475mmはN-BOXと同じ数値だ。異なるのは全高で、N-BOXは1,780mm(4WDは1,800mm)、ウェイクは前述のように全車が1,835mmだから、さらに55mm高いのが特徴だ。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はウェイクが2,455mm、N-BOXは2,520mmになり、後者が65mm長い。なのでN-BOXは、タイヤがボディの四隅に設置されている。
両車とも両側にスライドドアを装着して、開口幅はウェイクが595mm、N-BOXは640mmと幅広い。開口部の高さは全高に余裕がある分だけウェイクが1,286mmを確保。N-BOXは1,245mmになる。
外観デザインの評価は見た人によって異なるが、両車とも似ている。フロントマスクに厚みを持たせ、ヘッドランプは角型だ。ボンネットは短く、フロントウィンドウを直立させてルーフは長い。N-BOXはサイドウィンドウがフロントドアから荷室まで連続しているように見せるなど細部が異なり、全高やホイールベースの数値も違うが、基本スタイルは同じといえるだろう。
インパネ、収納設備はどちらもほぼ互角
内装はどうか。インパネを見ると、ウェイクはメーターを中央部分の奥まった位置に装着。前方から視線を大きく動かさずにメーターをチェックできる。
N-BOXのメーターはオーソドックスな配置だが、サイズが大きく視認性に遜色はない。そしてN-BOXではエアコンのスイッチが少し高い位置に装着されて操作性が良い。インパネまわりの収納設備の配置は両車とも似ている。
フタの付いたボックスは少なく、インパネの左右に固定式のカップホルダーを配置した。グローブボックスの上側にはトレイが備わるが、このサイズはウェイクが深くて容量も大きい。
このほか、ウェイクは助手席の下にも大容量のアンダーボックスを装着して、収納設備はN-BOXよりも豊富に備わる。
頭上空間や後席の左右独立シートなど、居住空間はウェイクが勝る
次は、居住性を比べよう。まずは前席だが、両車ともシートのサイズに余裕を持たせ、座り心地は適度に柔軟だ。頭上空間はウェイクが勝るが、N-BOXでも十分な広さがあって快適性に大差はない。
後席はシートアレンジが異なり、ウェイクには左右独立式のスライド機能が備わる。対するN-BOXは固定式でスライドができない。この違いは使い勝手に影響する。
後席にチャイルドシートを装着した時、ウェイクであれば前方にスライドさせることが可能だから、親子の間隔が近づく。信号待ちの時など、親が子供のケアをしやすい。この状態では後席の後ろ側に相応の荷室が確保され、子供用の自転車なども積める。N-BOXでは、ウェイクのような融通を利かせにくい。
N-BOXは、自転車などの大きな荷物を積むことに関しては「荷室床面の低さ」という決定的なメリットを持ち、この点はウェイクも太刀打ちできない。その一方でウェイクは、荷室や後席の背面に防水加工、シートには溌水加工を施したから、汚れを落としやすい。
助手席の座面を持ち上げて背もたれを前に倒すと、低い位置で水平になって長尺物も積みやすい。荷室の使い勝手は一長一短という印象だ。
ちなみにN-BOXから派生したN-BOXプラスは、荷室の後部をスロープ状にして、自転車などを積みやすくした。専用のボードを使って荷室を水平にした時には、スロープの部分が大容量のアンダーボックスとして機能する。なので荷室の使い勝手はN-BOX以上だが、後席の取り付け位置はN-BOXよりも240mm前寄りで、足元空間が大幅に狭まってしまう。
なのでN-BOXプラスはウェイクとは比べにくい。

ノーマルエンジンはウェイクだが、ターボは両車ともに不満を感じない
動力性能について、ノーマルエンジンはウェイクよりもN-BOXのほうに余裕を感じる。N-BOXのG・Lパッケージは車重が「950kg」だが、ウェイクは背が高いためにL・SAで「1,000kg」。
エンジン性能は、N-BOXの最高出力が「58PS(7,300rpm)」、最大トルクは「6.6kg-m(4,700rpm)」で、ウェイクは「52PS(6,800rpm)」「6.1kg-m(5,200rpm)」にとどまるからだ。ウェイクはボディが重く、なおかつ実用回転域の駆動力も下がるので不利になる。
一方、ターボになるとウェイク、N-BOXいずれも不満を感じない。N-BOXのターボの動力性能は「64PS(6,000rpm)」「10.6kg-m(2,600rpm)」、ウェイクは「64PS(6,400rpm)」「9.4kg-m(3,200rpm)」。ターボでもN-BOXが有利ではあるが、ウェイクも1リッターのノーマルエンジンに匹敵する性能を備えているから、登坂路でも力不足を感じにくい。
走行安定性、操舵感はウェイクに軍配
走行安定性と操舵感は、全高が1,800mmを超えるにも関わらず、ウェイクが優れている。
タントをベースにしながら、ショックアブソーバーやボディの傾き方を制御するスタビライザーに改善を加えたからだ。両車とも後輪の接地性は十分に確保されるが、操舵に対する反応の仕方は異なる。N-BOXは反応が鈍めで、車両の動きも少し曖昧。カーブを曲がる時などは旋回軌跡を拡大させやすい。
その点、ウェイクはボディの重心が高い割に素直に曲がる。全高が85mm低いタントと比べても自然な印象で、走行安定性と操舵感を熟成させた。
乗り心地は、ウェイクが少し硬い。転がり抵抗を抑えた15インチタイヤを装着し、指定空気圧を240kPaと高めに設定したことも影響している。それでも不快な粗さはなく、軽自動車では許容範囲に収まる。
価格はN-BOXが装備差を加えて16万円ほどお買い得
車両価格は、ノーマルエンジンで主力グレードになる「ウェイク L・SA」が156万6,000円。価格は高めだが、時速30km以下で作動する衝突回避の支援機能、LEDヘッドランプ、サイドエアバッグなども標準装着される。
そこでN-BOXのG・Lパッケージ(137万8,183円)に、衝突回避の支援機能を含んだあんしんパッケージ、ディスチャージヘッドランプをオプションで加えると150万4,698円だ。
この場合、N-BOXにはアルミホイールとカーテンエアバッグも備わり、装備で10万円ほど買い得感がある。加えて価格も6万円ほど安い。なので合計した差額の16万円が、ウェイクのシートアレンジや広い室内の対価と考えれば良いだろう。
結論をいえば、内装や居住性はウェイク、N-BOXともに同レベル。荷室は背の高いウェイクが広く、後席のスライドや防水加工なども施されて使いやすい。ただし床はN-BOXが低く、自転車などの収納のし易さでは勝る。
走行性能は互角だが、操舵感はウェイクが自然な印象だ。燃費数値もウェイクが少し勝る。価格はN-BOXが装備差を補正して16万円ほど安い。
トータルで考えるとウェイクとN-BOXの実力は伯仲している。となれば4名で乗車したり、自転車を載せるといった用途なら、N-BOX、あるいはタント、スペーシアでも機能的には十分だろう。
ウェイクを選ぶ価値は、さらに広くて開放的な居住空間、水洗いの可能な荷室、棚やネットを装着しやすいユーティリティフック、車中泊用のマットといった多彩なオプションパーツにある。
判断に迷っているなら、まずはディーラーでウェイクをチェックして、車両カタログとディーラーオプションカタログもジックリ読み込んでみたい。ウェイクの機能が必要なのか、それともN-BOXやタントで十分なのか、判断できると思う。



























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