
宿命の対決!「日産 スカイライン」vs「BMW 3シリーズ」を比較!
いつの時代でも、クルマ好きにとって愛車選びのスタンダードは「セダン」だろう。最近ではSUVの人気も高いが、悪路や雪道の走破力を重視しない限り低重心で高剛性なボディを持つセダンのほうが合理的だ。
たとえ「運転の楽しさ」に魅力を感じないような方でも、セダンが持つ「安全と快適」というメリットは大きい。低重心の高剛性ボディは、高重心のクルマでは得られない危険回避の能力を備え、重厚な乗り心地も実現できるからだ。
セダンの特徴を追求しており、かつ設計の新しいセダンを挙げるなら「日産 スカイライン」と「BMW 3シリーズ」が代表車種になる。全高はスカイラインが1,440~1,450mm、3シリーズは1,430~1,440mmに抑えられ、低重心のボディへと仕上げられている。
「日産 スカイライン 200GT-t」vs 「BMW 320i」「328i」-動力性能対決-
まずは、2リッターターボ同士の動力性能から比較してみよう。
日産 スカイラインのターボエンジン搭載モデル「スカイライン 200GTーt」の動力性能は、最高出力が「211ps(5,500rpm)」、最大トルクが「35.7kg-m(1,250~3,500rpm)」になる。
BMW 3シリーズはグレードによって異なり、「320i」の最高出力が「184ps(5,000rpm)」、最大トルクが「27.5kg-m(1,250~4,500rpm)」。「328i」は最高出力が「245ps(5,000rpm)」「35.7kg-m(1,250~4,800rpm)」だ。
「スカイライン 200GT-t」の動力性能は、実用回転域の駆動力を重視する。アクセル操作に対する反応が機敏になるのは1,400rpm付近を上まわってからだが、ノーマルエンジンに当てはめれば3.0~3.5リッタークラスの性能を得ており、4,000rpmを超えた領域の速度上昇も活発だ。5,000rpmを超えると回転の上昇が伸び悩み傾向になるが、2,000~5,000rpmでは力強い走りを味わえる。
一方、3シリーズの「320i」は、あえて過給効果を抑えた印象がある。体感的な動力性能は2.5リッタークラスだが、その代わり運転がしやすく、エンジンの回転感覚も滑らか。ある種の「馴染みやすさ」がある。
そして、320iの過給圧を抑えた感覚を取り払ったのが「328i」。35.7kg-mの最大トルクが4,800rpmまで持続することもあるが、数値以上に吹け上がりは活発だ。最高出力の発生回転数は5,000rpmだが、アクセルペダルを床まで踏み込むと、6,000rpmを超える領域まで滑らかに回る。
エンジンフィーリングの良さを順位付けするなら「328i」「スカイライン200GTーt」「320i」となるだろう。
「日産 スカイライン 200GT-t」vs 「BMW 320i」「328i」-価格・燃費対決-
車両価格の違いにも注目したい。
スカイライン 200GTーtは、衝突回避の支援機能を前後左右に張り巡らせたType Pが421万2,000円(7速AT)。3シリーズは最もシンプルな320iが483万円(8速AT)、328iはアダプティブヘッドライトなどが備わるものの604万円(8速AT)になる。
そして320iにスカイライン 200GT-t Type Pに近い安全装備と17インチタイヤを加えると520万円前後だ。スカイライン 200GT-t Type Pは320iを上まわる動力性能を得た上で、価格は約100万円安い。JC08モード燃費は、スカイライン200GT-t Type Pが「13.0km/L」、320iが「16.4~16.6km/L」、328iが「15.2km/L」になる。

一方、「BMW Active Hybrid3」は、直列6気筒の3リッターエンジンにターボを装着し、さらにモーター駆動も組み合わせることでハイブリッド化した。3シリーズでは唯一の直列6気筒エンジン搭載車だ。
エンジン本体の最大トルクは「40.8kg-m(1,200~5,000rpm)と強力で、エンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力は340psに達する。
Active Hybrid3の特徴は、エンジンの回転感覚が幅広い領域で洗練されていること。直列6気筒のメカニズムも影響しており、上級クラスの特別なパワーユニットとして造り込んだ。ターボを上手に活用して、高回転域におけるパワーの盛り上がり感も強い。もっとも、メカニズムが凝っているだけに価格も高く、ベーシックなActive Hybrid3でも738万円(8速AT)だ。スカイライン 350GT HYBRID Type Pならば、500万2560円(7速AT)に収まる。
JC08モード燃費はスカイライン 350GT HYBRID Type Pが「17.8km/L」、Active Hybrid3が「16.5km/L」になる。
つまり2リッターターボはスカイラインが「パワー指向型」で、3シリーズは燃費も優れた「バランス型」。ハイブリッドは逆に、スカイラインの燃費が少し勝る。
そのため、スカイラインではハイブリッドの燃費性能が200GT-tよりも優れているが、3シリーズでは、320iとアクティブハイブリッド3の数値はほぼ同じだ。
走行安定性は、スカイラインがダイレクトアダプティブステアリングの設定も含め、機敏に曲がる性格に仕上げた。分かりやすいスポーツ感覚を前面に押し出している。
3シリーズは、小さな舵角から正確に反応させながらも、スカイラインほど鋭く向きを変える性格ではない。扱いやすさを重視して、違和感のない運転感覚に仕上げた。
このあたりは良し悪しというよりも趣味性の違いだ。長距離移動時の快適性を含めて、移動のためのツールとして使うなら3シリーズが適している。
日産 スカイライン vs BMW 3シリーズ -総評-
峠道を走るなど、スポーツセダンの特別な運転感覚を求めるなら、スカイラインが面白い。かなり機敏に曲がるので走行安定性のバランスが心配になるが、危険を回避する状況を含めて、挙動が大きく乱されることはない。
そしてスカイラインは日本車らしく、いろいろなメカニズムを採用しながら価格が安い。
今までのBMWは、日本車を開発する上で走行性能の目標とされていた。実際、以前の日本車は走行安定性と乗り心地の両面でBMWに見劣りしたが、スカイラインは現行型になって走りのレベルを底上げした。並列に選択できる水準に達している。
そしてスカイラインと3シリーズの走行安定性、乗り心地、両車のブランドを感じさせる運転感覚は、セダンでなければ実現することは難しい。セダンは保守的なジャンルと見られがちだが、着実に進化を続け今でも走行性能をリードしている。












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