トヨタ アクア vs スズキ アルト【ガチンコ2台比較】究極の車選

トヨタ アクア vs スズキ アルト【ガチンコ2台比較】究極の車選び

燃費で頂点に立つ2車種を比較!

(左)トヨタ アクア/(中央)自動車評論家の渡辺陽一郎氏/(右)スズキ アルト
今のクルマ選びでは、従来にも増して燃費が重視されている。
燃費が優れていれば、二酸化炭素の排出を含めて環境負荷が抑えられ、ユーザーの経済的な負担も軽い。さらにエコカー減税も施行されているから、燃費を基準にクルマを選ぶユーザーが増えた。
そして燃費の優れたクルマの頂点に立つのが、「トヨタ アクア」と「スズキ アルト」だ。売れ筋グレードのJC08モード燃費は両車とも「37km/L」。国産乗用車では最高の数値を達成した。
ただしメカニズムは異なり、アクアは直列4気筒1.5リッターエンジンをベースにしたハイブリッドを搭載する。アルトは軽自動車で、低燃費技術と軽量化によって燃費を向上させた。今回はこの素性が異なる2車を比べて“エコカー最前線”を探ってみたい。

トヨタ アクア vs スズキ アルト/エクステリア比較

自動車評論家の渡辺陽一郎氏
トヨタ アクアスズキ アルト
まずはボディサイズだが、アクアは全長が3,995mm、全幅が1,695mmの5ナンバーサイズで、全高は1,455mmに収まる。
アルトは全長が3,395mm、全幅は1,475mmで、アクアに比べると600mm短く220mm狭い。全高は1475mmだからアクアよりも20mm高い。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はアクアが2,550mmを確保してアルトを90mm上まわった。
このボディ各部の数値は外観にも影響を与える。
アクアは全長が長く、全幅もワイドで天井は低い。フロントウィンドウを寝かせ、鋭角的でスポーティに仕上げた。フロントマスクもシャープな印象だ。
アルトは軽自動車だからボディが短くて背が少し高く塊感を持たせた。フロントマスクはメガネを掛けたような独特の表情で、個性を感じさせる。
両車ともにコンパクトなボディを生かして小回り性能も優れ、混雑した街中や狭い駐車場でも運転がしやすい。
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トヨタ アクア vs スズキ アルト【ガチンコ2台比較】究極の車選び

トヨタ アクア vs スズキ アルト/インテリア比較

トヨタ アクアスズキ アルト
アクアのインパネは、立体的な形状に仕上げた。メーターはインパネの奥まった高い位置に装着されて、遠方から視線を移しやすい。ドライバーの目の焦点移動も抑えられ、視認性が優れている。
エアコンのスイッチは高めの位置に装着されて操作性が良く、ATレバーはフロア式で使いやすい。シフトゲートがジグザグの形状だから、レバーに触れただけでシフト位置が分かることもメリットだ。
一方、アルトの内装は外観と同様にシンプル。
ATレバーはインパネの下側に装着されて足元空間を広げた。インパネの張り出しが小さいため、右側のドアを開きにくい場所に駐車した時など、助手席側から乗り降りすることも可能だ。
以上のようにアクアはハイブリッド車とあって、内装でも上質感や先進性を表現している。アルトは低価格の軽自動車らしく、実用性を重視した。
居住性は両車とも満足できる。前席は頭上にも相応の余裕があって快適だ。
特にアクアは手足を伸ばし気味に座るタイプ。立体的なインパネの形状と相まって、低燃費のハイブリッド車ながらスポーティーな雰囲気を味わえる。
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トヨタ アクア vs スズキ アルト/エンジン・動力性能比較

トヨタ アクアスズキ アルト
アクアは優れた燃費性能に加えて動力性能も力強い。モーターは反応が機敏だから、エンジン回転が下がった状態で緩くアクセルペダルを踏み増した時など、駆動力を滑らかに上昇させる。
駆動用電池が充電されていれば、発進から時速40km前後まではエンジンを始動させずにモーターだけで加速していく。となれば燃費性能も向上する。
EVドライブモードを設けたから、深夜の車庫入れなどはエンジンを停止させて静かに行うことも可能だ。モーター駆動の機会が多く、余裕のある動力性能と、静かで上質な運転感覚を両立させた。
アルトは軽自動車だからエンジンの排気量が660ccと小さい。アクアの半分以下でモーター駆動も併用しないから、動力性能に差が生じるのは当然だ。それでもアルトは車両重量がXの場合で650kgと軽く、ノーマルエンジンの軽自動車では軽快に走る。

トヨタ アクア vs スズキ アルト/燃費性能比較

自動車評論家の渡辺陽一郎氏
JC08モード燃費は前述のように両車とも37km/Lで等しいが、1回の給油で走れる距離は異なる。
燃料タンクの容量がアクアは36L、アルトは27Lになるからだ。JC08モード燃費で計算すると、1回の給油で走れる距離は、アクアが最大で1332km、アルトは999km。
1年間に1万kmを走るとすれば、アクアの給油回数は8回、アルトは10回になる。このあたりもユーザーの利便性を左右する。
特に長距離を移動する機会の多いユーザーにとって、アクアの給油回数を減らせるメリットは大きい。トヨタ アクア vs スズキ アルト【ガチンコ2台比較】究極の車選び

トヨタ アクア vs スズキ アルト/走行安定性比較

トヨタ アクア
アクアは発売後の改良も入念に行われ、ボディ剛性をさらに高めてサスペンションの設定も見直した。走りのレベルが一層向上している。
例えばカーブに入る時にハンドルを切り込むと、車両が機敏に向きを変える。ボディの傾き方は適度で、4輪の接地性が優れているために曲がっている時の安心感も高い。峠道ではスポーティドライブを積極的に楽しめて、街中もキビキビと走れるから気分が良い。
燃費の優れたエコカーでありながら、アクアの運転感覚は活発だ。
スズキ アルト
一方、アルトは現行型でプラットフォームとサスペンションを一新。軽量化を図りながら、ボディ剛性を高めて走行安定性を進化させた。
今後の課題は操舵感だろう。ハンドルを切った後、自動的に戻ろうとする性質が少し弱い。手応えを向上させる余地がある。
現行アルトは走行安定性を高めたので、新たにフィーリングの部分が気になってきた。機能が向上すると、さらに欲が出てくる。

トヨタ アクア vs スズキ アルト/乗り心地比較

(左)トヨタ アクア/(右)スズキ アルト
アクアは低燃費車でありながら乗り心地にも配慮した。硬めではあるが、重厚感が伴って粗さはない。
特に先に述べたボディ剛性の向上、サスペンション設定の見直しなどによってさらに洗練させた。
アルトは時速40~50kmで走っていると、燃費を節約するためにCVT(無段変速AT)のギヤ比が高めに変速され、エンジンの回転数がかなり下がる。
この状態でアクセルペダルを緩く踏み増すとゴロゴロとした微振動を感じるが、低燃費で低価格の軽自動車としては快適に仕上げた。

トヨタ アクア vs スズキ アルト/総評

自動車評論家の渡辺陽一郎氏
トヨタ アクアスズキ アルト
最近は軽自動車の燃費向上が著しい。10年ほど前に比べると、数値上は燃料代を30~40%ほど節約できる。価格も安く、アルトXは装備を充実させて113万4000円に抑えた。
その一方でハイブリッドには、エコカーの定番としての強い存在感がある。
特にアクアは燃費性能がナンバーワンで、5ナンバーサイズのボディは運転がしやすい。スポーティな走りも満喫できるから、さまざまな用途で高い満足感を得られ、いわばオールマイティなエコカーだ。
価格は試乗したアクアSが188万7,055円だから、日本の小型車の中心的な価格帯に位置付けられる。従って購入もしやすい。そのためにアクアは、今では日本国内の最多販売車種になった。
2011年の末に発売されてから、3年半ほどの間に国内だけでも90万台以上を登録(1か月当たり2万台以上)。海外を含めれば110万台近くを売った(2015年7月現在)。発売から時間を経過しても売れ行きが下がらないのは、エコカーとして普遍的な価値を持つためだろう。
今ではハイブリッドから軽自動車まで、最先端のエコカーを使い方や好みに応じて選び分けられる時代になった。その代表がアクア、アルトというわけだ。

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