
フルモデルチェンジされた新型インプレッサと大幅改良が施された新型アクセラ、いま人気の2台でライバル車対決!
2016年も後半に入ったが、これから発売される新型車の中で特に注目されるのがスバルの新型インプレッサだ。最近のスバル車は走行性能に力を入れ、新型はプラットフォームやサスペンションも刷新する。走りのレベルが大幅に向上するわけだ。
エンジンは従来と同じく水平対向4気筒の1.6Lと2Lだが、約80%の部品を見直して高効率化と軽量化を達成した。すべてが新しい文字通りのフルモデルチェンジになる。
今回は、インプレッサのライバル車であるマツダ アクセラとの比較チェックを行いたい。比較グレードについては、インプレッサは売れ筋となる5ドアボディのスポーツで、2Lエンジン搭載車。
そして、アクセラも同じく5ドアハッチバックのスポーツで、エンジンは直列4気筒1.5Lのクリーンディーゼルターボ。改良が施されたアクセラには2Lガソリンエンジンが用意されず、1.5Lガソリン、1.5Lと2.2Lのクリーンディーゼルターボ、2Lのハイブリッドという構成。吊り合いが取れるのは、価格を含めて1.5Lのクリーンディーゼルターボを搭載したスポーツの15XDプロアクティブや15XD・Lパッケージとなる。
外観デザイン・サイズ・視界・取りまわし性比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
外観デザインは両車とも似た印象を受ける。特に新型インプレッサスポーツは、新型になってサイドウインドーの下端が後ろに向けて大きく持ち上がっている。先代に比べて外観の躍動感は強まったが、斜め後方の視界が悪化しているので注意したい。
新型インプレッサのようなデザインはいまや世界的な傾向となっており、新型アクセラスポーツに至っては新型インプレッサスポーツ以上に鋭角的だ。そのため、後方視界は新型インプレッサスポーツよりもさらに悪化しているが、個性は際立つ。フェンダーの周辺も両車とも盛り上がっており、力強いイメージを受ける。
スバルの新しいデザインテーマは「ダイナミック&ソリッド」、マツダは「魂動デザイン」。世界観は異なるが、ユーザー視点で見ればどちらのメーカーも概ね同じ方向に発展している。
ボディサイズもほぼ同じ。新型インプレッサスポーツの全長x全幅x全高は、4460mm×1775mm×1480mm。新型アクセラスポーツは4470mm×1795mm×1470mm。新型アクセラスポーツは全幅が20mmほどワイドだが、それでも1800mm以下には収まる。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は新型インプレッサスポーツが2670mm、新型アクセラスポーツは2700mm。新型インプレッサスポーツは水平対向エンジンを搭載した前輪駆動と4WDだから、フロントオーバーハング(ボディが前輪よりも前側に張り出した部分)が不可避的に拡大してホイールベースの確保が難しいが、それでも全長の割に十分な寸法となる。居住空間は前後輪の間に位置するので、ホイールベースが長ければ車内を広げやすい。
最小回転半径は両車ともに、駆動方式を問わず5.3mで等しい。勝敗は視界が若干優れたインプレッサスポーツの勝ちとなる。
勝者:インプレッサスポーツ
前後席の居住性比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
前席の居住性は両車ともに同等だ。サイズに余裕を持たせ、新型インプレッサスポーツは体が適度に沈んだところで腰の周辺をしっかりと支えるから、リラックスできる座り心地となる。
新型アクセラスポーツは少し硬いが、ボリューム不足はなく、体のホールド性に重点を置く。少しスポーティな座り心地に仕上げた。両車で印象は異なるが、長距離を快適に移動できて優劣を付け難い。
後席は両車ともに座面の柔軟性がいまひとつ不足気味。後席の下側には燃料タンクがあるので、柔軟性を確保しにくい事情がある。
その上で比べると、後席では足元空間に差が生じる。身長170cmの大人4名が乗車して、新型インプレッサスポーツでは後席の膝先空間に握りコブシ2つ半の余裕ができるが、新型アクセラスポーツは1つ半にとどまる。アクセラスポーツは前席の下側に足が収まりやすいから大人4名の乗車は十分に可能だが、視覚的な広々感も含めると新型インプレッサスポーツが勝る。
頭上の空間は両車ともに握りコブシ1つ弱で、平均的な余裕になる。
勝者:インプレッサスポーツ

エンジンと動力性能比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
新型インプレッサのエンジンは、水平対向4気筒の1.6Lと2L。対する新型アクセラには、前述のように2Lのガソリンエンジンがない。マイナーチェンジで廃止され、1.5Lのクリーンディーゼルターボが加わった。このほか2.2Lのクリーンディーゼルターボと1.5Lのガソリンを選べる。
1.5LのクリーンディーゼルターボはデミオとCX-3にも搭載され、新型アクセラスポーツのチューニングは後者と等しい。最高出力は105馬力(4000回転)、最大トルクは27.5kg-m(1600~2500回転)だ。
最大トルクはガソリンのノーマルエンジンでいえば2.7Lクラスで、低回転域から十分な性能を発揮する。最高出力を上まわる4000回転を超えた回転域の吹き上がりも良く、エンジン回転計を見ると、5000回転以上がゼブラゾーンで5500回転からレッドゾーンだ。ディーゼルエンジンでは静粛性が優れ、運転感覚はガソリンエンジンに近い。
新型インプレッサスポーツの2Lガソリンエンジンは、低回転域にも相応の余裕があって直線的に速度を高める。先代型は4200回転付近からの吹き上がりが優れ、それ以下の回転域では相対的に力不足を感じたが、新型では解消された。最高出力は154馬力(6000回転)、最大トルクは20kg-m(4000回転)だから、性能の数値でも不満はない。
それでも動力性能を競えば、新型アクセラスポーツのクリーンディーゼルターボが勝る。
勝者:アクセラスポーツ
走行安定性比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
新型インプレッサスポーツは現行型になってプラットフォームと足まわりを刷新。走行安定性も進化した。機敏に曲がる性格ではなく、通常の走行ではスポーティとは思えないが、速度を高めてカーブに進入しても旋回軌跡を拡大させにくい。
操舵に対する車両の反応も正確で、路面の状態が分かりやすい。感覚的には大人しいが、積極的な走りにも対応できて安定性も優れている。バランスの良いリラックスできる走りが特徴だ。
新型アクセラスポーツは、スポーティ感覚を明確に表現した。小さな舵角から車両の向きが正確に変わり、入念に造り込まれた印象を受ける。速度を高めた状態でも車両の向きを変えやすく、後輪の接地性も不足していないから走行安定性も良好だ。
両車ともに異なる魅力を持つが、運転する楽しさを明確に表現したのは新型アクセラスポーツになる。
勝者:アクセラスポーツ
乗り心地比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
インプレッサスポーツの2Lモデルは、2.0i-Lアイサイトが17インチタイヤ、2.0i-Sアイサイトは18インチタイヤを装着する。18インチタイヤは操舵に対する正確性が少し高まる代わりに乗り心地は若干硬いが、足まわりが柔軟に動いて密度感を伴う。
17インチタイヤは足まわりの動きに合った設定で、乗り心地を快適に仕上げた。国産ミドルサイズカーの中では、乗り心地が優れた部類に入る。
アクセラスポーツでは、グレードとオプションに応じて16インチと18インチタイヤを選べる。18インチを履くと前述のように良く曲がる運転感覚を味わえるが、乗り心地の硬さが少し目立つ。粗くはないが、市街地などでは違和感が伴う。
一方、16インチは乗り心地の硬さが解消されるが、アクセラスポーツの特徴とされる適度に機敏な操舵感が少し削がれる。インプレッサスポーツと同様、17インチをメインに18インチを設定するのが良いだろう。
このあたりも考慮すると、設計が新しいこともあって乗り心地はインプレッサスポーツが快適だ。
勝者:インプレッサスポーツ
安全装備比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
両車ともに安全装備の内容は充実している。インプレッサスポーツはアイサイトバージョン3を採用。車両と歩行者の検知が可能だ。オプションではドライバーの死角に入る後方の並走車両を認識して警報するリアビークルディテクション、ハイ/ロービームを自動的に切り替える機能なども装着できる。
アクセラスポーツは複数の装備がオプションで用意され、アドバンストスマートシティブレーキサポートを装着すると、時速80km以下で歩行者と車両に緊急自動ブレーキを作動できる。スマートブレーキサポートは、車両を対象にした緊急自動ブレーキで高速域まで対応した。後方の並走車両などを検知するブラインドスポットモニタリングも備わる。
またアダプティブLEDヘッドライトは、左右4ブロックに分かれたLEDを部分的に点消灯させ、ハイビームの状態を維持しながら相手車両の眩惑を抑える。ハイ/ロービームの自動切り替えよりも先進的だ。
それでも自動車事故対策機構が実施するJNCAPの予防安全性能アセスメントのテスト結果などを見ると、追突回避性能はスバルのアイサイトが高い。
また両車ともに安全装備のセンサーを利用した運転支援システムも備える。アクセルとブレーキペダルを自動操作して車間距離を維持しながら追従走行できるクルーズコントロール、車線の中央を維持できるように操舵の支援を行う機能もあるが、この点でもアイサイトバージョン3が先進的だ。クルーズコントロールは全車速追従型とした。アクセラスポーツは時速30~100kmで作動し、時速25km以下になるとチャイムが鳴り、表示も切り替わってキャンセルされる。
勝者:インプレッサスポーツ
燃費性能とエコカー減税比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
インプレッサスポーツのJC08モード燃費は、2Lエンジン搭載車の2WDが16~17km/L、4WDは15.8~16.8km/Lだ。1.6Lと2Lの2.0i-Lアイサイトは自動車取得税が20%、同重量税が25%の減税だが、2.0i-Sアイサイトは減税対象外になる。
アクセラスポーツ1.5XDのJC08モード燃費はプロアクティブ、Lパッケージともに21.6km/L。ディーゼルの軽油価格は安いので、燃料代をガソリン車に当てはめると25km/Lくらいだ。エコカー減税も免税になり、燃費関連はアクセラスポーツが優れている。
勝者:アクセラスポーツ
価格比較/新型インプレッサ vs 新型アクセラ
インプレッサスポーツ2.0i-Sアイサイトの価格は237万6000円。これにアドバンスドセイフティパッケージを加えると243万円になる。
アクセラスポーツ15XDプロアクティブは243万円で、これにセーフティクルーズパッケージとドライビングポジションサポートパッケージを加えると257万400円だ。大雑把にいってアクセラスポーツ15XDプロアクティブは14万円ほど高いが、高機能なクリーンディーゼルターボの搭載も考慮すると、インプレッサスポーツよりも少し割安と判断できる。
勝者:アクセラスポーツ
カテゴリー別勝者一覧
ボディスタイル/サイズ/視界/取りまわし性比較インプレッサスポーツ
内装のデザイン/質感/操作性/視認性比較インプレッサスポーツ
前後席の居住性比較インプレッサスポーツ
エンジンと動力性能比較アクセラスポーツ
走行安定性比較アクセラスポーツ
乗り心地比較インプレッサスポーツ
安全装備比較インプレッサスポーツ
燃費性能とエコカー減税比較アクセラスポーツ
価格の割安感比較アクセラスポーツ
総合評価インプレッサスポーツ






























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