スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN(エヌワゴン) どっちが買い!?徹底比較

スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN(エヌワゴン) どっちが買い!?徹底比較

燃費「32.4km/L」を達成したワゴンRとホンダ N-WGNを徹底比較!

スズキ ワゴンR Sエネチャージ
最近はSUVの人気が高まっているが、国内の売れ行きを見ると主役は軽自動車だ。新車として販売されるクルマの約40%を占め、今ではホンダや日産も軽自動車に力を入れる。
人気を高めた理由はいろいろあるが、近年では燃費の向上が挙げられるだろう。全高が1600mmを超える車内の広い車種でも、JC08モード燃費は28~30km/Lに達する。5年ほど前は10・15モード燃費が23km/L前後(JC08モード燃費なら約21km/L)だったから、数年間で燃費数値は140%前後まで向上した。5年前に発売された軽自動車から現行型に代替えすれば、燃料代を25~30%は節約できる。
そして『スズキ ワゴンR』がマイナーチェンジを受けて、燃費性能をさらに向上させた。標準ボディの「FZ」と「スティングレーX」は32.4km/Lに達する。従来型は30km/Lだったから、8%の向上率だ。全高が1600mmを超える軽自動車では、ナンバーワンの燃費性能を達成した。
スズキ ワゴンR Sエネチャージ
ちなみに軽自動車の燃費トップはダイハツ「ミライース」で35.2km/L。2位はスズキ「アルトエコ」で35km/Lになる。この2車は全高がワゴンRよりも150mm前後は低く、車両重量は60~80kg軽い。この燃費スペシャル的な軽自動車に、ワゴンRの数値が迫っている。
ワゴンRが優れた燃費数値を達成した背景にある技術はS(スーパー)エネチャージだ。ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と呼ばれるモーターを新たに装着し、電装品に電力を供給する減速時の発電、アイドリングストップ後の再始動、さらにエンジン駆動力の支援(ハイブリッド機能)という3役を担う。詳細は2014年8月25日に掲載した「スズキ新型ワゴンR・S(スーパー)エネチャージ/新型車解説」を参照して欲しい。

スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN -エクステリア対決-

スズキ ワゴンR Sエネチャージ
そしてワゴンRのライバル車になるのがホンダ「N-WGN」だ。ホンダNシリーズの中核に位置する車種で人気も高い。ボディサイズは軽自動車だから両車ともに全長の3395mmと全幅の1475mmは等しく、全高はワゴンRの標準ボディFZが1660mm、N-WGNは全車が1655mmだ。これらの数値はほぼ同じだが、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は異なり、ワゴンRは2425mm、N-WGNは2520mm。N-WGNは約100mm長く、4輪がボディの四隅に配置される。
N-WGNはホイールベースが長いために小回り性能が悪化しそうだが、売れ筋になる14インチタイヤ装着車の最小回転半径は4.5m。ワゴンRの4.4mに比べて若干大回りだが、ホイールベースの長さを上手にカバーしている。
外観の印象は見る人の好みで変わるが、N-WGNは標準ボディ、カスタムともにワイド感を強調した。ヘッドランプは切れ長のデザインだ。そしてボディ後部のピラーは下側がブラックになり、天井が浮き上がっているように見える。ホンダらしい遊び心を盛り込んだ。
ホンダ N-WGN
ワゴンRは歴代モデルが高い人気を得てきたこともあり、1993年に登場した初代モデルからの持ち味を大切にする。標準ボディにS-エネチャージを搭載するFZは、メッキグリルとエアロパーツの装着で存在感を強めたが、ヘッドランプは縦長にも見えるデザイン。ワイド感よりも背の高さを意識させる。
一方、ワゴンRスティングレーはワイド感を強調。ヘッドランプ中央のグリルにはLEDを内蔵して、夜間の見栄えをカッコ良く演出している。
サイドウインドーの下端は、N-WGNが後ろに向けて少し持ち上げた。そのために水平基調のワゴンRに比べて斜め後方の視界を若干損なっているが、大きな違いはない。最小回転半径も0.1m上まわるが、取りまわし性はほぼ同じだ。
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ホンダ N-WGNホンダ N-WGNホンダ N-WGNホンダ N-WGNホンダ N-WGN
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スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN -インテリア対決-

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内装は両車とも上質に造り込んだ。ATレバーはインパネに装着され、操作性は良い。エアコンのスイッチはN-WGNが高い位置に備わって使いやすい。
前席の座り心地は互角だ。座面は適度に柔軟でボリューム感を持たせた。腰から肩まわりのサポートはN-WGNが少し勝る。
後席はワゴンRがやや柔軟だ。N-WGNは体がもう少し座面に沈む造りにすると、座り心地が向上する。
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座った同乗者の膝先空間は、ワゴンR、N-WGNともに握りコブシ3つ少々。ゆったりと足を伸ばして座れる広さがある。頭上にもゆとりがあり、大人4名が乗車しても快適だ。
収納設備は、両車とも工夫を凝らした。ワゴンRは助手席の前側に上からインパネボックス、トレイ、グローブボックスが並ぶ。助手席の下には初代モデルからの特徴とされる大容量のシートアンダーボックスを備えた。インパネの左右には、引き出し式のカップホルダーも装着する。
ホンダ N-WGNホンダ N-WGN
N-WGNのインパネに装着されるカップホルダーは固定式。ただしトレイは豊富で、インパネの中央には引き出し式が備わる。小さなテーブルといっても良いだろう。
そしてN-WGNで高い人気を得ているのが、後席の下に装着されたワイドなトレイだ。幅は99cm、奥行は最大で33cmとされ、傘や靴を収納できる。N-WGNを含めてNシリーズは、燃料タンクを前席の下に搭載するため、後席の下側を利用してこのような使い勝手の良いトレイを装着できた。
その代わり同じプラットフォームを使うホンダ「N-BOX」と違って、後席の座面を持ち上げて車内の中央を荷室にアレンジしたり、後席を床面へ落とし込むように小さく畳む機能はない。後席の背もたれを前に倒して荷室を拡大することは可能だが、広げた床に段差ができる。
スズキ ワゴンR Sエネチャージ
対するワゴンRはこのあたりを充実させた。後席の背もたれを前に倒すと座面も連動して下がり、フラットな荷室に変更できる。後席のスライド機能はN-WGNは左右一体型だが、ワゴンRは左右独立式。チャイルドシートを装着した側は前に寄せて運転席に座る親との距離を近づけ、もう一方は後方にスライドさせて大人が座るといったレイアウトが可能だ。
両車とも収納設備やシートアレンジに工夫を凝らしたが、機能はそれぞれ異なる。違いを見極めて、必要に応じて選ぶと良いだろう。

スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN -動力性能対決-

改良型R06A型エンジン
次は運転感覚を比べる。両車に共通するのは、動力性能に対してボディが重いこと。登坂路では力不足を生じやすく、そのために動力性能が1リッターエンジン並みに高まるターボも用意されている。
ワゴンRはマイナーチェンジで燃費性能を向上させたものの、動力性能は犠牲になっていない。実用回転域に重点を置いた設定で、クセがなく扱いやすい。ただしモーター駆動の支援、つまりハイブリッドの力強さはほとんど感じない。モーターの最高出力は2.2馬力と小さく、作動中はエンジンの出力を絞って燃費を向上させるからだ。
N-WGNのノーマルエンジンは少し高回転指向だが、直線的に速度が上昇して扱いやすい。動力性能は互角と考えて良い。
スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN(エヌワゴン) どっちが買い!?徹底比較

スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN -走行安定性・乗り心地対決-

スズキ ワゴンR Sエネチャージホンダ N-WGN
走行安定性はどうだろう。買い得グレードのワゴンR・FZとN-WGN・G-Aパッケージには、ボディの傾き方を制御するスタビライザーが装着されない。ワゴンRは操舵に対する反応が機敏なこともあり、ボディの傾き方が拡大しやすい。不安感はさほど強くないが、このステアリングの設定であれば、スタビライザーが欲しい。
N-WGNはワゴンRに比べて操舵に対する反応が大人しく、やや曲がりにくいと感じる。その代わり足まわりとのバランスは取れている。キビキビ感を重視したワゴンR、リラックス感覚のN-WGNといえるだろう。
この傾向は乗り心地にも当てはまり、N-WGNが快適に感じる。ワゴンRは燃費向上のためにタイヤの指定空気圧を280kPaまで高め、転がり抵抗を抑えた。なので乗り心地が硬い。N-WGNも高めではあるが、前輪が240kPa、後輪は230kPaにとどまる。加えてホイールベースもN-WGNはワゴンRよりも約100mm長いため、乗り心地に差が生じた。
その代わりに燃費性能は、ワゴンR・FZが前述の32.4km/L、N-WGNは29.2km/Lになる。

スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN -装備・価格対決-

装備では、両車とも時速30km以下で作動する自動ブレーキを伴った衝突回避の支援機能を装着した。センサーには赤外線レーザーを使う。横滑り防止装置も装着されるが、N-WGNにはサイド&カーテンエアバッグも備わり、ワゴンRはスティングレーを含めて設定がない。エアバッグの充実はワゴンRの今後の課題だ。
車両価格はワゴンRのFZが137万2680円、N-WGNのG-Aパッケージが128万5715円になる。ワゴンRにはアルミホイール、エアロパーツ、運転席シートヒーターなどが装着され、N-WGNには前述のサイド&カーテンエアバッグ、ディスチャージヘッドランプなども標準装着している。ワゴンRのシートアレンジが多彩になることなどを考えると、機能と価格のバランスは同等で買い得感に差はない。

スズキ ワゴンR Sエネチャージ vs ホンダ N-WGN -総評-

スズキ ワゴンR Sエネチャージホンダ N-WGN
結論をいえば、ワゴンRは多彩なシートアレンジや収納設備が備わり、全般的にミニバン感覚が強い。初代モデルからの伝統として、便利に使える日常生活のツールという印象だ。居住性を含めて、実用性を全般的に高めている。
対するN-WGNは、4名乗車の機能に重点を置いたセダン風の軽自動車。運転感覚や乗り心地がリラックスできて、後席の下側に装着されたトレイも、4名乗車時に手荷物などを置きやすい。ホンダの場合、スズキのスペーシア以上にN-BOXの存在感が強く、N-WGNは荷物の積載よりも居住性を重視して個性化した印象を受ける。
ディーラーで両方を乗り比べると、機能の違いが良く分かり、「軽自動車が好調に売れる理由」も理解して頂けると思う。ライバル車を良く研究して開発され、外観は似ていても、それぞれが独自の強みを備えている。

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