マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

注目度の高いコンパクトSUVから気になる2台を徹底比較!

マツダ CX-3ホンダ ヴェゼル
最近、元気が良いといわれるメーカーがマツダだ。2012年に発売されたCX-5以降、「スカイアクティブ」と呼ばれる技術シリーズで統一した新型車を続々と投入。洗練された走行性能と内外装で人気を集めている。
一方、クルマのジャンルではSUVの注目度が高い。ボディの基本スタイルは5ドアハッチバック、あるいはワゴン風だから居住性と荷室の使い勝手が良く、外観は野生的だ。実用性と趣味性を併せ持つことから、クルマ好きの間で人気を高めた。メルセデスベンツやBMWといった欧州のブランドが品ぞろえを充実させたことも、SUVが注目されている理由だろう。
そこで今回取り上げるのがマツダCX-3。2015年2月に発売された設計の新しいSUVで、ボディはコンパクト。エンジンは直列4気筒1.5リッターのクリーンディーゼルターボのみを搭載しており、メカニズムに向けた注目度も高い。
一方、コンパクトSUVの人気車としては、以前からホンダヴェゼルが堅調に売れている。2013年の末に発売され、2015年4月には一部改良を実施した。エンジンは直列4気筒の1.5リッターと、1.5リッターのハイブリッドを選べる。
注目度の高いコンパクトSUVを改めて比べてみたい。

マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル/エクステリア対決

マツダ CX-3ホンダ ヴェゼル
まずはボディサイズだが、両車ともほぼ同じ。CX-3の全長は4275mmで全幅は1765mm。ヴェゼルは4295mm/1770mmになる。ただし全高はCX-3が立体駐車場を使える1550mmなのに対し、ヴェゼルは1605mmだから55mm上まわる。
最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)はCX-3が160mmでハッチバック車と同程度だが、ヴェゼルは170~185mmで少し余裕を持たせた。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はCX-3が2570mm、ヴェゼルは2610mmだから40mmほど長い。
こういった数値の違いも影響して、SUVらしさは背の高いヴェゼルの方が濃厚だ。CX-3の外観は、少し背の高い5ドアハッチバックとも受け取られる。
特に今のマツダ車はフロントマスクに共通性を持たせたから、CX-3を正面から見ると、デミオと識別しにくいところもある。
マツダ CX-3
この2車種を選ぶ時に注意したいのは視界だ。両車ともサイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げたから、斜め後方と真後ろが見にくい。今の世界的なデザイントレンドで、この2車種だけの欠点ではないが、コンパクトなSUVは日常的な買い物などに使われることも多い。購入時には縦列駐車や車庫入れを試しておきたい。後方視界をバックモニターに頼る今日のクルマ造りは、安全の観点から見ても疑問がある。
ボンネットは、両車とも手前の部分だけが少し視野に入る。車幅やボディ先端の位置はおおむね分かりやすい。
マツダ CX-3マツダ CX-3マツダ CX-3マツダ CX-3マツダ CX-3
ホンダ ヴェゼルホンダ ヴェゼルホンダ ヴェゼルホンダ ヴェゼルホンダ ヴェゼル
マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル/インテリア対決

マツダ CX-3ホンダ ヴェゼル
内装のインパネについては、CX-3はプラットフォームを共通化しているデミオとほぼ同じ水平基調のデザインだ。インパネの中央から助手席の前側にかけて、ステッチの入った合成皮革のパネルが横長に装着され、上質なアクセントになっている。
メーターはXDでは速度表示が大きい。「XDツーリング」と同「Lパッケージ」は、大径のタコメーターが装着されて速度はデジタルで示す。
ヴェゼルのインパネは、細部は異なるものの、雰囲気がフィットに似ている。カーナビの画面やエアコンのスイッチは、ドライバー側に少し傾けて装着され、ATレバーの収まるセンターコンソールは前後に長いデザインとした。
質感の受け取り方は見る人によっても異なるが、一般的にいえばCX-3が上質に感じるだろう。メーターの見やすさ、スイッチ類の操作性は同程度だ。
前席は両車ともコンパクトな車種としては快適な部類に入る。座面の長さ、背もたれの高さに不足はなく、座り心地にボリューム感を持たせた。
その上で比較すると、サポート性と運転姿勢でCX-3が勝る。腰から大腿部が包まれるような着座感で、肩まわりのサポート性もしっかりしている。最近のマツダ車のこだわりとしてペダルの配置も良く、運転姿勢がピタリと決まる。上質なインパネ周辺と相まって、ミドルサイズSUVのような雰囲気だ。CX-5と比較しても遜色はほとんどない。
後席は逆にヴェセルが広くて快適だ。身長170cmの大人4名が乗車した時の後席の膝先空間は、CX-3は握りコブシ1つ分、ヴェゼルは握りコブシ2つ半は取れている。CX-3も後席に座った乗員の足が前席の下側に収まり、大人4名の乗車を妨げないが、広々感では差が付く。頭上の空間も背の高いヴェゼルが少し広い。
背もたれの角度は、CX-3が意外に立てている。日本車の場合、リラックス感覚を演出して頭上の空間も確保するため、寝すぎている車種は多いが、立ち気味に感じるケースは珍しい。
後席の座面の造りは、CX-3が柔軟に仕上げた。頭上や足元は狭めでも、シート自体の造りは良い。
荷室もヴェゼルが広い。燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席の座面を持ち上げて車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能だ。
マツダ CX-3マツダ CX-3マツダ CX-3マツダ CX-3マツダ CX-3
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マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル/動力性能対決

マツダ CX-3ホンダ ヴェゼル
動力性能は、CX-3のエンジンがクリーンディーゼルターボなので、ヴェゼルはハイブリッドで比べたい。
CX-3の最高出力は105馬力(4000回転)、最大トルクは27.5kg-m(1600~2500回転)。ヴェゼルのハイブリッドは、エンジンとモーターを合計したシステム最高出力が152馬力だ。
CX-3はクリーンディーゼルターボとあって、1600~2500回転という低い回転域で、ガソリンエンジンでいえば2.7リッター並みのトルクを発揮する。そのために巡航中に加速する時など、アクセルペダルを軽く踏み増すだけで十分。沸き上がるような駆動力が頼もしく感じる。
ディーゼルエンジンとしては高回転域の伸びが良く、振動や騒音も抑えているが、ガソリンエンジンに比べると回転の上昇が伸び悩む。ノイズも相応に感じられる。ディーゼルエンジンに不慣れなユーザーは、違和感がないか試乗車で確かめておきたい。
一方、ヴェゼルのハイブリッドは、モーター駆動を併用するものの、基本的にはガソリンエンジンだ。CX-3のディーゼルのような実用回転域の高い駆動力は得られないが、運転感覚は馴染みやすい。ノイズも小さく抑えた。
マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル どっちが買い!?徹底比較/渡辺陽一郎

マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル/走行安定性対決

マツダ CX-3
操舵感と走行安定性は、両車ともに満足できるが、上質なのはCX-3。今日のマツダ車は運転感覚を緻密に造り込み、CX-3も小さな舵角から正確に反応する。ボディの前側に重いエンジンを搭載しながら、舵角に応じてしっかりと回り込み、旋回性能が高い。曲がっている最中に路上のデコボコを乗り越えた時も進路を乱されにくく、ドイツ車を思わせるしっかりした運転感覚に仕上げた。
ボディと足まわりを入念に造り込んだので、CX-3は乗り心地も快適。コンパクトサイズのSUVながら、ミドルサイズ並みの重厚感が伴う。
なのでCX-3の方が全般的に走りは上質だが、ヴェゼルには軽快感が伴う。このあたりもエンジンフィーリングと同様、馴染みやすい印象だ。
JC08モード燃費は、「CX-3 XDツーリング」の4WD仕様(6速AT)が21km/L。「ヴェゼルハイブリッド 4WD X」が23.2km/Lになる。
ホンダ ヴェゼル
実用燃費がJC08モードの85%、CX-3が使う軽油の価格が1リッター当たり120円、ヴェゼルハイブリッドのレギュラーガソリンが140円として計算すると、CX-3の1km当たりの燃料代は6.7円、ヴェゼルハイブリッドが7.1円だ。
燃費数値はヴェゼルハイブリッドが勝るが、軽油価格が下まわるために、燃料代はCX-3が安くなる。
日本ではハイブリッドが燃費性能の優れた環境エンジンの代表とされるが、損得勘定ではクリーンディーゼルターボが勝ることも多い。

マツダ CX-3 vs ホンダ ヴェゼル/総評

マツダ CX-3
そして装備内容を比べると、買い得グレードとして、「CX-3 XDツーリング4WD(281万8800円)」と、「ヴェゼルハイブリッド4WD X・Lパッケージ(274万6000円)」がおおむね吊り合う。CX-3には7インチWVGAセンターディスプレイなどが装着され、ヴェゼルハイブリッドには本革・プライムスムースのシート生地などが備わるからだ。価格は接近しており、まさに格好のライバル同士だろう。
総合的に見ると、内装の質感や前席の座り心地が優れているのはCX-3。後席の居住性と荷室の使い勝手はヴェゼルハイブリッドだ。
動力性能や走行安定性、乗り心地はCX-3で、天井が低めだから立体駐車場も使いやすい。運転感覚の馴染みやすさならヴェゼルハイブリッドになる。
ホンダ ヴェゼル
そして時速30km以下で作動する自動ブレーキを備えた衝突回避の支援機能は、両車とも大半のグレードが標準装着する。
差が付くのはそれ以上の機能で、CX-3であれば、斜め後方を走る車両も検知する。オプションではミリ波レーダーを使った高速対応の衝突回避機能にグレードアップすることも可能だ。
こういった点を見ると、設計が新しいCX-3の方が進歩的だが、ファミリーカーとして使う場合は後席の狭さがネックになる。
両車の機能は一長一短。それだけに使用目的と予算に応じて選び分けたい。この2車は目下のところコンパクトSUVの代表だから、乗り比べて結論を出すのも良いと思う。

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